ドビュッシー「ゴリウォーグのケークウォーク」

ゴリウォーグのケークウォーク」は、ドビュッシーが唯一授かった子(娘)であるエマに捧げられました。
「子供の領分」(全六曲)の第六曲目で、大人が子供の世界に浸れるような曲として作曲したそうです。

ゴリウォーグ(golliwog)は、イギリスの挿絵家フローレンス・ケイト・アプトンによる創作キャラクターで、1895年に最初に、絵本に登場しています。

20世紀、さまざまな商品に使用されたゴリウォーグ↓


Independent HP(https://www.indy100.com/article/british-people-dont-think-golliwog-doll-racist-minstrel-black-stereotypes-yougov-poll-derbyshire-8461961)より

ケークウォーク(cakewalk)は、アメリカ南部で黒人が娯楽として踊ったダンスで、二拍子の軽快なダンスです。パリのダンスホールで黒人が踊り、白人たちにも親しまれるようになったということなので、ドビュッシーもその踊りをどこかで目にしたのでしょう。

こんな可愛い姿をしたゴリウォーグが軽快に踊る姿は、想像するだけでも、愉快な気分になります。(黒人への偏見の意図は一切ありません)

ところが、黒人の身体的特徴が見られる「ゴリウォーグ」は、人種差別と象徴とも言われる「ミンストレル・ショーと酷似しているため、黒人による公民権運動の勝利を経て、現在は認めないとする見方もあります。

※幕間の茶番劇が、独立した演劇のジャンルとなった。白人の演技者が肌を黒く塗って演技する。1830年代から19世紀を通してアメリカでは娯楽として広く楽しまれたが、20世紀前半には衰退していった。

今でも多くの人が、くまのプーさんのように愛されキャラクターとして親しんでいるようです。

参考文献:Independent社HP ”Most British people don’t think a ‘golliwog’, a doll that looks like a minstrel, is racist”