ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ

モーリス・ラヴェルが24歳の時に作曲した、繊細で重厚な旋律な曲です。

パヴァーヌとは、16世紀イタリアで誕生した宮廷ダンスで、
ゆっくりとした二拍子に合わせ、列をなした男女が前進後退を繰り返して踊るダンスだそうです

一時、ヨーロッパ中の宮廷舞踏として広まりますが、次第にテンポの速い三拍子の踊りに取って代わってしまったそうです
ラヴェルはスペインの王女がパヴァーヌを踊るイメージを持って作曲したそうです。

このような経緯もあって、パヴァーヌに対する郷愁の念を込めて作曲されました
異国の伝統に関心を寄せ、まるで思い出を語るかのような旋律を生み出せることがラヴェルの傑出した能力の一つだと思います

ラヴェルの母親はスペインのバスク地方出身だったことが若いラヴェルの関心を引いた可能性もあります

このようなラヴェルらしさは、生涯を通して見られます

1928年53歳でアメリカで演奏旅行を行い、ジャズに多いに刺激を受けています

アフリカの民族音楽とその変化形であるジャズの影響を受けていると思われる曲の一つが「左手のためのピアノ協奏曲」で、戦争で右手を失ったピアニストに依頼され、作曲しました

実際にジャズの影響を受けていたかは確証を得られませんが、アメリカ演奏旅行直後に着手していることと、つるが聞いたところ、クラシックに収まらない異色なリズムを感じたことの2点から判断しました

ラヴェルの作品の中でも好きな作品なので他の曲と並行して、今年中に完成に持っていいけたらと思います!