【映画鑑賞記録】レ・ミゼラブル

1985年にロンドンで人気を博して以来、世界中で愛されてきたミュージカル作品を2012年イギリスとアメリカの映画製作会社が映画化した映画作品です。
19世紀前半パリの民衆の困窮、学生による王政打倒運動を軸に、主人公ジャン・バルジャンとその周囲の人々の日常が描かれます。

あらすじ

物語は、主人公ジャン・バルジャンが19年の服役を終え、やっと仮釈放の身になるところから始まります。監視役はジャベールという名前の男で、映画の中で度々出てきて、主人公の邪魔をします。

釈放されても、「危険人物」という肩書き付きだったため、容易く職を得ることができません。そんな中、優しい神父が現れ、住む場所を提供してもらったうえ、うっかり盗みを働いてしまった主人公をかばってくれる。ここで、主人公の改心を決心します。

数十年後、主人公は、市長兼工場経営者となっています。

そこで働いていたのが、ファンテーヌという若い女工。ファンテーヌには一人娘のコゼットがいますが、生計を立てるために、コゼットをずる賢い居酒屋の店主に預け、女工として働いているのですが、いじめられ、不当に辞めさせられてしまいます。

主人公は工場の経営者ではありますが、従業員の管理は部下に任せていたために、ファンテーヌの不当な解雇のことも知る由もありませんでしたが、すっかり落ちぶれたファンテーヌと偶然会い、その事実を知ります。そして、ファンテーヌへの償いを心に誓います。

ほどなくしてファンテーヌは亡くなり、ファンテーヌの唯一の願いであったコゼットの養育のために、身の危険を冒してコゼットを救いだし、養育に専念します。

やがて、美しい娘に成長したコゼットですが、孤独な毎日を過ごしていました。そんなある日、フランスの六月暴動の運動家の青年マリウスと出会い、恋をします。

二人の恋を知った主人公は、秘密で怪我を負ったマリウスを戦場から救出する。そしてマリウスとコゼットの結婚を許し、マリウスにかつては脱獄囚だったことやコゼットの実の親でないことを打ち明ける。

最初は、主人公と3人で暮らすことを提案したマリウスだったが、主人公の過去を知ったとたん主人公を軽蔑し、コゼットと2人で暮らすことに決めてしまいます。

その後、コゼットとマリウスは幸せに暮らすが、ある日、マリウスは自分を戦場から救ったのが主人公であるという事実を知り、即コゼットを連れて主人公の元へ行きます。

コゼットとマリウスは修道院で主人公の最期を見届けます。

感想

物語の幕開けは囚人たちの未来への絶望を訴える歌声から始まりますが、いきなりインパクトが強いです。それから5分も経たないうちに、それを超えるくらいのインパクトで、妹の子どものためにパン一つの盗みで捕まった自分は「法の奴隷」だと訴える歌主人公によって歌われます。

観ている時は心が沈んでいく感じでしたが、全部見終わってから、じわじわとよみがえってきて作品をもう一度鑑賞したくなる不思議な映画感覚がありました。これでこそ傑作なのでしょう。

また、この映画を完全に理解するためには、様々な知識が要ると思います。

家族のためにパン一つ盗んだために、19年の懲役というのが、法律の「ほ」の字も知らないつるも疑問に思い調べたところ、原作ではパン一つで19年の刑ではなく、脱獄を繰り返したために、合計19年になってしまった旨が書かれているそうです。実は後で、もう一度映画を見返したところ、脱獄していなければ5年間の服役で済んだということが分かりました。それにしても現代人の感覚だと酷いですよね。実際のところを知るために原作も併せて読んでみたいと思いました。

ちなみに、原作者のユゴーは、映画で描かれていた時代を生きていた人で、映画の中盤以降に描かれている6月革命も目のあたりにしている人物です。6月革命はフランス革命(1789年~1799年)の40年程後の出来事で、この話がなければ、忘れ去られているような出来事でもあったそうです。

こんな感じで、海外の歴史や文化との関わりが深い映画なので、それらに関心がある人にとっては、好奇心が刺激される映画です!

文化に関してはキリスト教的な世界観への関心が重要です。

例えば、上記の囚人の歌が歌われた直後に、主人公が、監視役に命じられ、巨大な旗を一人で運ぶ場面があります。この場面、イエス・キリストが自分が掛けられる十字架を抱えて丘を歩いたという聖書の一節とぴったり一致していると思いませんか?※

あくまでも個人的な解釈です。

トニー賞について

トニー賞というと演劇の最高峰というのは、つるの小さなお頭にも記憶されていますが、そもそも、トニーの由来は何だろうと思い、調べてみましたー♪

トニー賞の正式名称はAntoinette Perry Award(アントワネット・ペリー・アワード)なのだそうです。
Antoinette Perry Awardの省略がtony(トニー)だそうです!

アントワネット・ペリーはアメリカで活躍した女優で、トニー賞のスポンサーAmerican Theatre Wingの共同設立者の一人として知られています。

American Theatre Wingは現在トニー賞以外にも、 “Working in the Theatre” という著名な舞台の裏側を紹介するドキュメンタリーの放送・動画配信、演劇のレッスンや討論の無料動画配信、米国内の劇団運営者に対する資金援助、新進の脚本家や作曲家に対する資金援助など幅広い活動に携わっています。

アメリカの演劇界を支えているのですね!

つるもトニー賞作品を色々鑑賞して、消費者の立場から芸術やアート業界を(超)微力ながら支えていきたいです!