以前、ダンスに関する記事で、ワルツとレントラーの起源についてお話しました!
両者の起源を一言でまとめると、「北東アルプス山脈地域(ドイツ南部、オーストリア西部、スイス東部)の山岳部で伝統的に踊られてきた農民のダンス」ということになります。
「愛の悲しみ」(クライスラー作曲・ラフマニノフ編曲)↓↓
これから練習する「愛の悲しみ」(クライスラー作曲・ラフマニノフ編曲)では
クライスラー版(ヴァイオリン)→レントラー(独:Ländler)
ラフマニノフ版(ピアノ)→ワルツ(独:Walzer)
となっており、気になったので、両者の違いを調べてみました
以下に、いくつかキーワードを挙げてみました!
レントラー:「田舎風」「元気な」「片足で飛び跳ねる動作(ホップ)」
ワルツ:「都会風」「洗練された」「滑らかな動作」
ワルツもレントラーも山岳部の田舎で農民たちが踊っていた踊りが起源ですが、19世紀前半のオーストリアの宮廷音楽では、「ワルツ」と「レントラー」は区別されている(有名なヨーゼフ・ランナーは、ワルツとは別にレントラーの作曲も手掛けている)ことから、異なる起源を持つダンスであることが想像できます。
しかし、ワルツもレントラーも、山岳部から郊外へ、そして1780年頃に宮廷音楽へ広がったという共通の歴史があります。そして、共に、都会に広まる過程でテンポが次第にゆっくり、優雅な動きになっていきました。
確かに、ミュージカル映画サウンドオブミュージックでマリアとトラップ大佐の踊るレントラーは優雅(ゆっくり)に見えます!
この映画の舞台であるザルツブルグは、近世以降、バロック建築を中心とする建物が立ち並ぶ文化都市として栄えたことから、都会に近いのかなと思います。
ここで、両者の違いの話に戻ると、
マリアとトラップ大佐が片足でジャンプをする動作(ホップ)をしていることから、ワルツではなく、レントラーであることが分かります。
①クライスラー版「愛の悲しみ」(レントラー)↓
②ラフマニノフ版「愛の悲しみ」(ワルツ)
この編曲は素敵です!!
曲に新たな生命を吹き込んでいる感じがします!
ヴァイオリンでは難しい、ピアノのならではの繊細な指の動きを取り入れることで、感情の複雑性が増しています。