メンデルスゾーン無言歌Op.30-1

ロマン派音楽を代表するフェリックス・メンデルスゾーンの「無言歌集」に収められている一曲。
無言歌集には、繊細で抒情的な曲が数多く収められております♪

▽「瞑想」の愛称で親しまれているOp.30-1▽


「無言歌」という言葉を最初に使ったのはメンデルスゾーンだと言われています。

音楽史の潮流から、メンデルスゾーンが意識していた無言歌(言葉のない歌)の「歌」は、リート(独:lied,日:歌曲)を指しているのではないかと想像できます。

今日のドイツでは、童謡 Kinderlied, 民謡 Volkeslied 賛歌das Hohe Lied, のように、広く使用されていますが、このliedがドイツで初めて使われたのは、14世紀後半頃に、「ザルツブルクの修道士」(The Monk of Salzburg )と呼ばれている人が万人が親しみやすい歌詞付きの曲を量産したことがきっかけだと言われています。

彼の曲は、11~13世紀頃のミネザング(吟遊詩人)の流れを受け継いでいると言われています。

その後、哲学・文学が発展した18世紀後半以降のドイツで注目され、フランスを皮切りにヨーロッパ諸国に広まっていきました。

ドイツではフランツ・シューベルト(1797-1828)やロベルト・シューマン(1810-1856)、フランスではドビュッシー(1862~1918)が好んで、リートを作曲するようになります。

▽シューベルト「美しき水車小屋の娘」

▽ドビュッシーが子どもの戦争被害を憂いて作曲した作品(1916)

▽古典派➡ロマン派の過渡期に生きたベートーヴェン(1770~1827)も後半年にリートを作曲

↑六部から成る連作歌曲。リストの素朴で繊細なピアノが、詩の世界を美しく彩ります♪

▽ロマン派詩人・島崎藤村の作品から生まれた「椰子の実」▽

↑旅の途上で出会った椰子の実を見て、流離いの身である椰子の実と自分自身を重ね合わせているのですね♪