この本の中で、科学的な観点から、音楽が私たちの身体に与えている影響を身近な例を挙げながら科学的に、しかし、分かりやすく説明されています!
例えば、新しい音楽を聴いた際に、期待通りだった又は期待以上だあった場合は、神経伝達物質ドーパミン※が出ますが、逆に期待を反するような曲だった場青はドーパミンが出ない仕組みになっているそうです。
※神経伝達物質とは、脳内でニューロン同士が情報を伝達するうえで不可欠な物質である。ドーパミンは約50種類ある神経伝達物質の一種で、中脳の腹側被蓋野と中脳の大脳基底核から出るものがあり、外部から脳内に投入し、利用するのは非常に困難である。
そもそも、本来のドーパミンの役割は、身体を危険から守るための行動を促す物質として、人間が長い進化の過程で身に付けた能力です。一見危険とは何の関係もない、お茶の間の音楽でドーパミンが放出されるというのはちょっと驚きです。
実は音楽と人の深い関わり合いについては、ダーウィンも頭をひねったそうです。人間は狩猟採集生活をしていた太古の時代から楽器を弾いたいり歌を唄ったりしていたことが分かっているのですが、その行動と種の保存についてどう説明したらよいか、という疑問が出発点で、ダーウィンは女性が男性を発情させるため、という結論を出しました。こればかりは、ダーウィンも知るすべがなかったのでしょう。
ちなみにタイトルにあるドビュッシーという作曲家について重点的に書かれているわけではない(原著のタイトルは「Why yo love Music」)ため、ドビュッシー好きというよりは、ジャンル問わず音楽もしくは音自体への理解を深めたい人が楽しめると思います!