長年使用してきた洗濯機の更新のチャンスに、
【省エネ性能が高いと言われているインバータ搭載の小型洗濯機】
との素敵な出会いがありましたので、実力を検証してみたいと思います!!
更新前後の洗濯機の比較
かめ(当記事の著者)が長い間お世話になった更新前の洗濯機は、シャープ製のES-GE55P-A (ブルー系)となります。
※画像はシャープ㈱の製品サイトより引用しました。
製品サイトURL:https://jp.sharp/sentaku/products/esge55p_overview.html
糸くずフィルターとスタートボタンのカバーを破壊してしまいましたが、何とか9年間使い続けることができました♪
これに対して今回選定したのは、Haier製のJW-UD55B-Wとなります。
製品サイトURL:https://www.haier.com/jp/washing-machines/jw-ud55b.shtml
この2つの洗濯機の基本性能の違いを比較してみます。
比較項目 | 更新前 | 今回選定 | |
---|---|---|---|
洗濯容量 | 5.5kg | 5.5kg | |
型式 | ES-GE55P-A(ブルー系) | JW-UD55B-W(ホワイト) | |
メーカー | シャープ | Haier | |
発売年 | 2014年 | 2023年 | |
水位 | 12~37L | 12~46L | |
標準使用水量 | 75L | 90L | |
外形寸法 | W565mm D535mm H898mm |
W525mm D500mm H895mm |
|
重量 | 32kg | 27.5kg | |
消費電力(50Hz/60Hz) | 380/435W | 200/200Wh | |
消費電力量(50Hz/60Hz) | 98/96Wh | 30/30Wh | |
運転音(洗い/脱水) | 42/46dB | 34/38dB | |
インバーター | ― | 〇 |
どちらの洗濯機もそれぞれいろいろな洗濯メニューが用意されていますが、
かめが注目しているのは、
【洗濯容量5.5kgの小型洗濯機にインバーターが搭載されていること】
のみです!!!
洗濯機を更新するにあたり、省エネ性能の高い【インバーター搭載】の機能ありの条件で価格.comで検索をしたところ、2024年1月の時点で、
- 最安値(かめ調達:33,784円+楽天ポイント約20%付与)
- 最軽量(27.5kg)
- 最低消費電力量(30Wh)
の三拍子が揃っている驚きの新商品であることに気が付きました♪
※価格.com検索結果のリンク先はこちら:価格.com – インバーター搭載の洗濯機 価格の安い順 (kakaku.com)
【インバーター搭載】でなければ、もっと安い商品やもっと容量の小さな商品もありますが、
【小型】×【インバーター搭載】によって実現された【消費電力の低減】が重要なポイントです!!!
インバーターについて
メーカーの製品サイトでは、インバーターについて以下の紹介文が掲載されています。
※製品サイトより紹介文を抜粋:https://www.haier.com/jp/washing-machines/jw-ud55b.shtml
低騒音を実現する
「DDインバーターモーター」採用DDインバーターモーターはベルトを使わず、洗濯槽とモーターを直結させることで低騒音を実現します(洗い時34㏈・脱水時38㏈※1)。帰宅後の夜洗濯や、赤ちゃんがいるご家庭でも安心して洗濯ができます。
省エネ性能についていっさい語られていないのが、
「イケメンなのか」、それとも、
「消費者の省エネの関心が低いのか」、よく分かりませんが、
💡消費電力の数値だけで比較するのであれば、省エネ性能が高い素晴らしい商品とかめは思います💡
※こちらのHaierの別サイトでは、「インバーター式洗濯機」についてしっかりまとめられていますので、当サイトでの説明は割愛します。
インバーター式洗濯機とは?非搭載の洗濯機との比較や長所短所を解説! – Haier Japan Region
「DDインバーターモーター」の何がすごいのかよくわからないので、本体を調査してみます。
見た目や使い方は、一般手な全自動洗濯機と変わりません(笑)
違いは恐らく、見えないところに搭載されているモーターと制御回路にあると思われます。
電気回路のラベルが背面に貼られていましたが、このままでは考察が難しいので、インターネット上にあった「東芝レビュー Vol.55 No.4(2000)」を参考にします。
「東芝レビュー Vol.55 No.4(2000)」
https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/techReviewAssets/tech/review/2000/04/a08.pdf・洗濯機や冷蔵庫においては,モータとインバータが低騒音化や低消費電力化などの製品性能向上に大きな役割を果たしている。
・DD(Direct Drive)洗濯機においては,低トルクむらのモータや低トルクむら用の駆動ソフトウェアに基づ いたインバータで,静かな公園並みの低騒音化を実現した。
・2.3 DD モータ用インバータ
インバータには,モータを駆動する出力波形に応じて,図4に示すように二つの方式がある。
安価であるが出力トルクむらの大きい矩形(くけい)波駆動と,高価であるが出力トルクむらの小さい正弦波駆動である。
これまで,家電機器用インバータには前者が適用されてきたが,出力トルクむらの減少を図り低騒音化するためには正弦波駆動が必要になる。・開発したインバータシステムの概略を図6に示す。
このようなモータとインバータを適用したDD洗濯機では,振動系の最適化なども行い,脱水時の騒音が最大でも40 dBAと静かな公園並みになっている。
そして、更新前の洗濯機の回路と見比べてみます。
◆かめの考察
- 更新前の洗濯機は、ホールセンサー回路で検出した回転位置の情報を基に、コントロール回路でモーターに印加する電圧をON/OFF、正転・逆転制御していると思われる。
- 今回選定の洗濯機は、コンセントの単相100V電源をプリント基板でDC電源に変換し(AC/DC converterの役割)、インバーター基板で運転状況に見合った電圧や周波数に変換している(Inverterの役割)と思われる。
- 今回選定の洗濯機は、DC電源で駆動する「トルクモータ」が書かれており、参考文献には記載されていない技術により、回転制御に活用していると思われる。
- その他大きな違いはないため、インバーター制御の採用によりモーターの小型化と省エネが達成されていると考えられる。
- 正転・逆転制御が必要な洗濯機では、力率の悪い突入電流が繰り返し交互に流れていることが想像されるため、インバーター制御の採用による省エネルギー効果が高い家電と考えられる。
インバーター制御を利用した電化製品として冷蔵庫があげられますが、
以下リンク先の省エネ性能が確認できる資源エネルギー庁のサイトを確認しても、
インバーター制御の採用により消費電力量が3倍も小さくなるケースはほとんどないと思います!!!
製品検索:電気冷蔵庫 目標年度2021 | 省エネ型製品情報サイト (seihinjyoho.go.jp)
冷蔵庫のように365日連続運転ではないため、年間の消費電力の削減効果は小さいかもしれませんが、
気が付いたところからどんどんエコ活を始めていかないと、地球温暖化は食い止められません!!!
電力測定
0.3Wまで測定できることになっているサンワサプライさんのワットモニター「TAP-TST8N」を測定器として利用します。
※サンワサプライさんのメーカー製品サイトはこちら。
https://www.sanwa.co.jp/product/syohin?code=TAP-TST8N
こちらの過去の記事では、電化製品の消費電力Wを測定するのに利用しており、
ACアダプターでUSB給電する小容量の電化製品などの電力も、細かく測定ができるのでオススメの商品です!!
なお、洗濯機は正転・逆転が切り替わる度にモーターに突入電流が瞬間的に流れる関係で、
正確な電力Wの測定は難しいと考えています。
「最大水量46L・標準モード33分(洗い12分・すすぎ2回・脱水7分)の1回分の洗濯」
で消費する電力量kWhを測定してみたいと思います♪
コンセントに差し込んだ時から時間と電力量の積算がスタートしますので、洗濯機を運転する直前にリセット操作を行います。
スタートスイッチを押すと①給水がスタートし、消費電力は3Wほどでした。(写真は撮り逃しました)
3分後に②洗いがスタートし、消費電力は3W~148Wの間で正転・逆転の起動・停止を繰り返していました。
10分の洗いの後に③小刻みに1分間洗うモードが存在し、消費電力は20W~36Wの間で正転・逆転の起動・停止を繰り返していました。(写真は撮り逃しました)
その後、2分間の④脱水があり、消費電力は5Wほどでした。
また、この時点で初めて0.21円が表示され、1kWhあたり21円の初期設定となっているため、0.01kWhを消費したことになります。
脱水が完了すると、3分間ほど洗濯機を動かしながら給水を行う⑤シャワーすすぎのモードがスタートし、消費電力は40W~70Wの間で正転・逆転の起動・停止を繰り返していました。
シャワーすすぎは、ほぐしながら洗剤を洗い流す工程と思われます。
それが終わると、同じ回転方向で徐々に加速した後に減速する⑥脱水&排水が1分間行われ、最大消費電力は119Wほどまで上昇しました。
脱水が完了した後は2分間の⑦給水(ためすすぎ)が続き、消費電力は7W~11Wほどでした。
この後は、②洗いを2分間、③小刻みの洗いを1分間、④排水を2分間行い、消費電力は1回目と同等となりました。
最後に同じ回転方向で時間をかけて加速し緩やかに減速する⑦脱水を行い、最大消費電力は101Wほどまで上昇し、やがて0Wまで低下して終了となりました。
減速が80Wほど安定している段階で0.42円が表示され、ここまでで0.02kWhを消費したことになります。
停止後に、
- 1日同じペースで連続運転した場合の電気料金18.49円/日
- 1回の洗濯でかかった積算時間37分
の測定結果を確認することができました。
これを利用して、1回の洗濯で消費する消費電力量を計算することができます。
★18.49[円/日]÷21[円/kWh]÷24[時間]÷60[分]×37[分]≒0.0226[kWh]=22.6[Wh]
Brilliant!!!!!
1回の洗濯の電気代が1円未満なんですかぁぁあああ!!!!!
ちなみに、ワットモニターをずっとそのまま差しっぱなしで放置した後に、もう一度数値を確認すると、
- 1日同じペースで連続運転した場合の電気料金9.77円/日:⤵減少
- 1回の洗濯でかかった積算時間1時間10分:⤴増加
となり、他に電気を消費していなければ計算結果は同じ22.6Whになることを確認しています。
デジタル表示上では0.21円(0.01kWh)が最小の電気料金(電力量)単位ですが、
上記の計算を行うことで、0.21円(0.01kWh)より小さい桁の数値を高い精度で推測することが可能です♪
測定結果をまとめてみますと、以下のグラフの通りとなります♪
回転方向を入れ替えながら運転している工程では、
消費電力を測定している1秒間の間に消費電力が大きく変動するため、
グラフのスパイク状イラストや測定された数値より激しく振動していることが予想されます。
一方で、
1秒平均の消費電力の最大値が148Wであり、モーターの定格定格消費電力を上回っていないので、
標準コースで使用するのであれば余裕のある設計になっていると推測されます♪
また、消費電力量は消費電力を時間で積分した数値(≒グラフ中の着色範囲の面積)であり、
製品仕様に記載されている30Whをさらに下回る22.6Whの結果となりました♪
結論
省エネ性能に関しては最強クラスの洗濯機であることは、測定により確認できました!!!
一方で、注意しなければならないポイントがいくつかあります。。
1.得られる省エネ効果に対してコストパフォーマンスが低い。
洗濯機で消費する電力はインバーターなしのものでも低いので、365日利用しても高効率化のために支払ったイニシャルコストを回収できない可能性が高いです。
これが、省エネ性能より低騒音を推している理由かもしれません。
🔥【できる限り省エネを推進するという強い意志】が、かめを突き動かしています!!!🔥
2.洗濯機は電気料金よりも水道料金がかなり高い。
今回選定の洗濯機の標準使用水量90Lに水道単価0.24円/Lをかけると、1回の洗濯の水道料金が21.6円になります。
更新前の洗濯機の標準使用水量が75Lで節約には良かったのですが、洗濯機を更新した後は洗濯物に残る洗剤の香りが抑えられた印象ですので、結果オーライということにしました♪
洗濯物を減らすことと、適切な水量を選択して洗濯することがポイントです。
3.基板回路の寿命が最も重要。
洗濯機を使うことに消費電力があまりかからないとしても、洗濯機を製造して運搬して据え付けてもらうのに多くのエネルギーが必要です。
今回選定の洗濯機には3つの制御基板やコンデンサなどの電子機器が多数搭載されていますが、これらの1つでも故障してしまって、早々に使用できなくなってしまっては、結果として最も悪い判断をしたことになってしまいます…
最悪の事態を避けるための対策として、
【信頼できるメーカーの製品を選ぶ】
のが無難ですが、それでも確実に壊れない保証はないので、
今回の洗濯機の寿命は2024年のかめの運試しということにしたいと思います(笑)