【読書記録】コーヒーの科学「おいしさ」はどこで生まれるのか

かめ(管理人)は最近、健康のためにコーヒー習慣を始めてみたのですが、残業が忙しくて健康効果の真偽が確かめられずにいました。

そんな時に出会ったのが、こちらの本です。

 

『 コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか 』

著者:旦部幸博 発行:2016年2月20日

 

 本の内容

筆者である旦部さんが医学の研究者の目線で、コーヒーについて、長年に渡って調査・検証・考察してきた結果が記録されています。

<目次>
第1章.コーヒーって何だろう?
第2章.コーヒーノキとコーヒー豆
第3章.コーヒーの歴史
第4章.コーヒーの「おいしさ」
第5章.おいしさを生み出すコーヒーの成分
第6章.焙煎の科学
第7章.コーヒーの抽出
第8章.コーヒーと健康

 

コーヒーに関するあらゆる情報が、小さな本に分かりやすくまとめられており、誰にでもオススメできる1冊です!

 

かめの人生の中で意欲的に読もうと思った本は、ゲームの攻略本と食品成分表ぐらいでしたが、こちらの本は最初から最後まで楽しく読ませていただきました♪

研究者の立場から、正しい検証方法に基づく情報が適切に整理されており、コーヒーの知識について誤解を招く恐れがある情報については、注意を促しながら説明されている点が好印象でした。

 

かめは当初、健康効果焙煎の科学について知りたいと思ってこの本を手に取りましたが、思いがけず、2016年の時点での「コーヒーの世界」を広く学ぶことができました。

著者を始めとする多くの研究者たちによって、長い年月をかけて調査・検証・考察が行われておりますが、それでも、

 

コーヒーはまだまだ分かっていないことが多く、興味深い研究対象であるとかめは理解しました!

 

コーヒーについて新しいことを始めたい、あるいはもっと詳しいことが知りたいと思ったときに、豆の生態・歴史・科学・栄養のあらゆる分野で、2016年以降の「出発点」となる情報が詰まった本と言えます。

読者がこの本をきっかけにコーヒーに興味を持って、興味を持った分野の研究を掘り下げて、結果を共有していくことがポイントとかめは思います!

 

かめは何を始めようか

もっぱらかめの興味は、健康効果焙煎の科学です。

本のサブタイトルである「おいしさ」は、健康のために「青汁ココア」を喜んで飲んでいるかめのビジネスではありません(笑)

 

※青汁ココアはこちらの記事で紹介しています。

青汁ココアで健康生活

 

 

本の中には、もちろん、健康や焙煎に関する基本的な情報も簡潔にまとめられております。

今後知識を深めていく上で、備忘のために当サイトに本を読んだ上でのかめの解釈を、箇条書きで記録したいと思います。

 

<健康や焙煎に関する内容のかめの解釈>

「コーヒーを飲むことで現れる健康効果」は、有効成分を個別に分けて説明することは現状では難しい。

・ただし、コーヒーに多く含まれるカフェインによる良い効果と悪い効果は、「コーヒーを飲むことで現れる健康効果」の一般的な効果の1つとして挙げることができる。

 

カフェインは非常に熱に強く、焙煎の過程でほとんど変化したり減少したりすることがない。

・コーヒーを象徴するもう一つの成分としてクロロゲン酸がある。

 

・焙煎の過程においてクロロゲン酸自体が変化したり、その他の有機酸や糖類・アミノ酸が化学反応によって複合的に変化したりすることで、最終的な成分の含有量が決定する。

クロロゲン酸ラクトン類(CQL)は、クロロゲン酸の加熱による分子内脱水により生じる、コーヒーを象徴する苦い成分。中煎り過程で増加する。吸湿によりクロロゲン酸に加水分解され酸味が増す(ステイリング)。

 

クロロゲン酸は加熱により、キナ酸カフェー酸(コーヒー酸)に加水分解される。

 

キナ酸クロロゲン酸同様に加熱により分子内脱水が起こることでキナ酸ラクトン類を生じる。これも吸湿によりステイリングが起こり酸味が増す。

ビニルカテコール・オリゴマー(VCO)は、カフェー酸の加熱物から生じる、エスプレッソを象徴するとても苦い成分。深入り過程で増加する。

 

2-フルフリルチオール(FFT)は、含硫アミノ酸と糖類を加熱した時に生じる、コーヒーを象徴する香り成分。

 

コーヒーメラノイジンは、焙煎の過程でアミノ酸と糖類が加熱されることで引き起こされるメラノード反応(褐色反応)に、クロロゲン酸が関与することで生み出される、水溶性の高分子の褐色色素群。弱い苦みを示し、焙煎が進むと分子量が大きくなるとともに色が黒褐色に近づく。

・糖類の加熱により生み出される、カラメルも黒褐色色素であり、反応の過程で有機酸や香り成分を生み出す。

クエン酸リンゴ酸クロロゲン酸は生豆に含まれる有機酸で、焙煎の過程でキナ酸カフェー酸酢酸なども発生する。

 

・コーヒーの酸味はこれらの有機酸の総量よって決まるpHと相関関係があり、浅煎り~中煎りでピークを迎える。中煎り以降は熱分解や揮発によって有機酸の含有量が低下し酸味も減っていく。

・産地の違いにより、豆に含まれる成分や水分の量、豆の形が異なっており、同じ焙煎方法であっても異なる味に変化する。

※がんなどへの健康効果についても記載されていますが、かめの不適切な表現により誤解を招くといけませんので、気になる方は実施に本を読んでいただければと思います。

※焙煎における物理変化についても、焙煎初心者にとってはとても有用な情報が記されていますが、こちらも気になる方は本を読んでいただければと思います。

※各成分の構造式のイラストは本の図から引用しています。

 

 

 

これらの情報を基にかめが行いたいと思っている研究は、

 

『自家焙煎で実践可能な健康的な焙煎方法』
についてです!

 

<背景>

・つるかめ家では訳あってオーガニック食品を積極的に取り入れており、コーヒーも検討しています。

・コーヒーのオーガニック製品は、商品のラインナップが少なく、焙煎度合いもあまり選べません。

・自分の好みの焙煎度合いで最も安価にコーヒー豆を入手することを検討した結果、

☞理想的なコーヒーをいただくには「生豆を自家焙煎するのが良い」という結論に至りました。

 

本には何の成分が主にコーヒーに含まれていて、焙煎の過程でどのように変化していくか大まかに記載されておりますが、自家焙煎でそれらをコントロールするためには、自らこれから調査・検証・考察を進める必要があります。

また、各成分の健康効果については個別に具体的な記載はないので、こちらもかめの興味の範囲で調査を行っていきたいと思います。

 

生物・化学の専門的な難しい研究は信頼できる研究者にお任せして、

かめは自分の生活における「実践的な検討(practical study)」を楽しみます!

 

 

努力の結果が健康効果に結びつくことを期待して、頑張りたいと思います!

 

早速実践!

初めての自家焙煎の記録は、こちらの記事で紹介しています。

IH×親子鍋でコーヒーの自家焙煎に挑戦!