つるかめ家では、貴重なたんぱく源として玄挽き十割そばを食卓に取り入れています。
この記事ではかめ(当サイトの管理人の一人)が自身のそば打ちの経験を基に、オススメする玄挽きそば粉を紹介します。
霧下そば本家:霧下そば 特選田舎粉 GSTI(ジーエスティーアイ)
通販サイトで様々な玄挽きそば粉を試した上で、かめが選んだ現在のBEST商品がこちらです!!
◆霧下そば本家:霧下そば 特選田舎粉 GSTI(ジーエスティーアイ)
(株)霧下そば本家さんのホームページリンク:https://www.kirisita.com/
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昔ながらの製粉法で挽いた、石臼挽き田舎粉
特選田舎粉(GSTI)玄そばを綺麗に磨き、殻つきのまま低速回転石臼挽き〜細かい目の篩い(60メッシュ)にかけて仕上げたそば粉。
“GSTI”とはG=玄そば、S=石臼(ストーン)、T=特選、I=田舎という意です。
手間ひまかけた当社の人気商品のひとつでもあります。
100%で太めに打つと”田舎そば”と呼ばれる昔ながらの黒いおそばに仕上がります。
また他の挽きぐるみそば粉に少し混ぜて、ホシの入った蕎麦に仕上げるといった使い方もできます。
<色合>白☆☆☆☆★黒(※殻の色による指標以上の黒さが出ます)
<粒度>粗☆☆☆★☆細
<粘度>少☆☆☆★☆多
※2021年3月現在の原料産地(品種):北海道(キタワセ)※霧下そば本家さんのGSTI紹介サイトより紹介文を抜粋。
https://www.kirisita.com/product01/pds03/
かめがこちらの玄挽きそば粉を選んだ決定的な理由として、
【非常に細かく粉砕されている点とそれにもかかわらず風味が豊かな点】
が挙げられます。
玄挽き十割そばとそば粉の細かさの関係について
かめは健康的な食品として、
【そば殻を挽きぐるみにした玄挽きそば粉で作られた十割そば(玄挽き十割そば)】
に注目しています。
栄養についてはこちらの記事で紹介していますので、当記事での紹介は割愛させていただきますが、粉砕されたそば殻に豊富に含まれている栄養成分がかなり体に良いのではないかと期待しています!
一方で、
玄挽き十割そばは蕎麦屋さんでも提供されていないお店があるように、一般的な商品としてあまり普及していないため、かめはダイソーの押し出し器を改造して自作することにしました♪
そば打ち素人ながらも押し出し法により玄挽き十割そばを安定して作ることができるようになりましたので、通販サイトで様々な玄挽きそば粉を購入して押し出し製麺を試してみることにしました。
その結果、以下の考察を基に、
【玄挽きそばはそば殻が細かく粉砕されているそば粉を利用した方が良い】
という結論に至りました。
<玄挽きそば粉商品の比較結果と考察>
- 最初はそば粉が粗いほど風味が豊かでおいしい玄挽き十割そばになると想像していたが、もっちり弾力でみずみずしく、甘みが際立つそばに仕上がることが分かった。
- そば粉が粗い場合はそば殻の破片が混ざっていることにより、そばの結合力が弱まり、押し出し製麺の過程で麺が毛羽立ちを起こし、ゆでている間に短く切れてしまう。この問題を回避する方法として、麺の水分量を増やすか麺を太くするかが挙げられるが、水分量を増やすと味が薄くなってしまい、麺を太くするとゆで時間が長くなりそばの風味が損なわれやすくなってしまう。
- このことから粗く粉砕された玄挽きそば粉を押し出し製麺する場合、太くて水分量が多く風味が強く感じられない玄挽き十割そばしか作ることができなかった。
※以下の写真は霧下そば本家:霧下そば粉 玄挽き(ゲンビキ)[30メッシュ]を押し出し製麺した結果のご参考。 - 一方で、そば粉が細かい商品は、粉の状態で比較しても風味がしっかり残留しており、粗く粉砕された商品と遜色ない印象を受けた。粉の細かさよりも、粉砕方法や粉砕したそば粉が配達されるまでの品質管理にメーカーがどれだけこだわっているかが、風味に大きな影響を与えていると思われる。
- 粗く粉砕されたそば粉が乾いたようにサラサラしているのに対し、細かく粉砕されたそば粉はしっとりとしてダマになっていることが多い。同じ水分量のそばの実を粉砕していても、このような違いが確認できることから、細かく粉砕されたそば粉の方がそば粉同士の結合力が強いということが言える。
- そば打ちの際に加える水の量が細かいそば粉の方が少なくて済むため、玄挽きそばの風味が強く感じられるようになる。逆に粗いそば粉は、そば殻の苦みが抑えられ甘さが際立つようになる。
- 細かく粉砕されたそば粉の方が結合力が強いため、より細く押し出し製麺することが可能となる。ゆで時間が短縮され、玄挽きそばの風味が強く感じられるようになる。
- 栄養の面では、細かく粉砕されていた方がそば殻の栄養が吸収されやすくなると予想される。ただし、他の穀物同様に細かく粉砕することで糖質も吸収されやすくなり、GI(グリセミック指数)は粗いそば粉で作られた玄挽き十割そばよりも少し高くなることが考えられる。
<細かく粉砕されているそば粉のメリットまとめ>
- そば殻を含む玄挽きのそば粉でも結合力が強くなり、そば打ちがしやすい。
- 加水率低減+細麺化→ゆで時間短縮により、そばの風味が引き立ちやすい。
- そば殻が細かく粉砕されているほど、そば殻の栄養が吸収されやすい(仮説)。
かめが試した玄挽きそば粉の中では、霧下そば本家さんのGSTIが、
【60メッシュの篩いが使用されており、そば殻も含めてが非常に細かく粉砕されている】ことに加えて、
【それでもそばの風味がしっかりと感じられました】ので、
かめ愛用の殿堂入り玄挽きそば粉になったというわけです♪
これは、
霧下そば本家さんのこだわりの【品質管理】と【製法】により生み出される伝統の業
ですので、そば素人ながらも比較した商品の中での格の違いを体感しました!!
霧下そば粉はなぜうまい?
玄蕎麦は信頼のおける農家と契約栽培、精選・保管管理なども徹底し、厳選した最高品位のものだけを使用しています。
地粉・研地は1時間の生産量がわずか約600〜800gといった低速回転の石臼を使用。またすべての石臼を熟練した職人が常に目を離さずに管理・調整しています。
数カ所の産地の玄そば、数種類のふるいを使用し、独自のブレンド法で味・香りを極限まで引き立てています。そば粉は本当に奥の深いものです。常にお客様の意見を大切に、おいしいそば粉を作るため日々研究・努力を重ねております。
※霧下そば本家さんの霧下そば粉紹介サイトより紹介文を抜粋。
https://www.kirisita.com/kirishita-soba/
個人的には、
GSTI(ジーエスティーアイ)という奇抜なネーミングが、
かめが大学時代に研究に利用していた相変化材料GST(ジーエスティー)と完全にラップしていることから、かなり大ブレイクしております(笑)
ワルかめ製麵 GSTI×□1.72mm角 (細麺)
細かく粉砕された玄挽きそば粉は、細く押し出しても切れにくいため、こちらの記事で紹介しております□1.72mm角に押し出される押し出し器を利用したいと思います。
1.計量
加水率は玄挽きそば粉80gに対して39gですので、約49%となります。
さらに水分量を減らすことも可能ですが、押し出す手のひらにかかる圧力が強くなりすぎて健康被害が出てきます…(笑)
2.練り
始めは水回しの目的で、乾いたそば粉がなくなるように意識してザクザク切るように練ります。
つるさん(当サイトのもう一人の管理人)曰く、この状態が最もおいしく玄挽きそばをいただける瞬間だそうです。
全体的にしっとりしてきたら空気を抜くことを意識して圧をかけながら練り、押し出し器に充填できる形に成形していきます。
3.押し出し
ダイソーのベーキングガンを改造した押し出し器に、練り上がった玄挽き十割そばを充填し、押し出していきます。
細かく粉砕された玄挽きそば粉を利用しているため、細麺でもしっかりとした強度がありあす!
4.ゆで
練りの工程でしっかり空気が抜かれていれば、ゆででも煮崩れすることがありあせん。
ゆでればゆでるほど香りが損なわれますので、しゃぶしゃぶのように弱火でさっとゆでるのが好みです。
5.盛り付け
つるかめ家ではそばつゆをつけて食べる習慣はございませんので、そば湯を洗い流す工程も省いて、
【そばモンブラン】
の塊にして盛り付けるのが良いとの結論に至りました。
ゆでた直後の熱でそばの表面が適度に乾燥し、そばの風味が引き立てられます♪(炙ったお刺身のようなイメージです。)
感想
驚くほどおいしいそばに仕上がりました!!!
Brilliant!!!
【微粉砕された玄挽きそば粉×細麺×ゆで時間短縮】
の選択が、風味および栄養のどちらの面においても素人ができる範囲での、最高の選択だとかめは確信しています。
この玄挽き十割そばが自宅で簡単に作れるようになると、もはや普通のお蕎麦屋さんに行く必要がなくなってしまいます(笑)
そして、こちらの過去の記事で味比べを行った、どの【乾麺十割そば】よりもおいしく、栄養が豊富であると言っても過言ではありません!
山本食品(株)さんの「十割そば専用工場」で作り出される【乾麺十割そば】の風味が素晴らしく、乾麺十割そばでもとてもおいしいそばが自宅で楽しめる時代となりましたが、そば粉から練り上げて作る自家製そばは、ゆでる前からそばの内部に水分が生きわたっている生麵であり、ゆで時間の大幅な短縮が可能ですので、乾麺十割そばとは違ったおいしさがあります。
唯一、そばの風味が段違いの信州戸隠そば(株)さんの「国産 本十割そば」は、おいしさの方向性が異なるためたまに食べたくなる時がありますが、【玄挽きの乾麺十割そば】が登場しなければ、栄養面でかめはGSTIを日常の食卓に取り入れる選択となります。
何より、
つるさんは粉でそば粉を食べることを良しとしていますので、この点においてもGSTIの選択となります(笑)
購入コスト削減検討について
【GSTIという商品が素晴らしい】ことが比較していて良く分かりましたが、
1kgで1,920円(税込、ポイント還元などの値引きは考慮しない)はもう少し何とかならないかと、競合他社の商品と比較して感じていました。
そこで購入コストを下げるために検討したのが、【殻付きのそばの実を自ら粉砕する】ことです。
◆霧下そば本家:国産 玄蕎麦(殻付き 霧下そばの実)白神山地産
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自家製粉・種まき用・小鳥の餌などにも
【特徴】
品種は青森県の奨励品種、「階上早生(はしかみわせ)」。実は大きめで黒褐色。
粘りが強く、豊かな風味に定評があります。食べた後にすーっと甘みが残る感じが特徴です。
【産地情報】
白神山地は青森県と秋田県の県境に位置する広大な山地帯の総称で、1993年に日本で初めてのユネスコ世界遺産として登録されました。
ブナ原生林が有名で、高緯度にもかかわらず多くの動植物が生息しております。
この白神山地のふもとのそば畑は水はけがよく、昼夜の気温差が大きい朝霧のかかるまさに霧下地帯です。
【生産方法】
弊社独占契約の農地で最適な土壌作りからはじまり、水分調整や保管なども徹底管理。
磨き時のこすれによる熱を極力避けるため、刈り取り時は茎を倒さず出来る限りきれいな状態で収穫するなど、良いと思うことはすべてやる!という方針で生産。
すべて1等級のみを使用しております。※霧下そば本家さんのそばの実の紹介サイトより紹介文を抜粋。
https://www.kirisita.com/product01/cooking/
高級品種のそばの実が1,180円(税込、ポイント還元などの値引きは考慮しない)は、かなりお買い得ですね!!
「イワタニのクラッシュミルサー」を利用して、そばの実を粉砕してみたところ、三角錐のそば殻の△部分と内部のそばの分離は簡単にできました。
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ただし、
これをGSTIと同じ60メッシュレベルの細かさまで粉砕するのは、一般の消費者が入手できるような家電や石臼では難しいと思われました!(笑)
ダイソーで購入した比較的細かいケーキ用の篩を使用して、分離した玄挽きそば粉で強引に太麺の押し出しを試みましたが、そば殻が網目で抵抗を持ち、押し出しできませんでした…(笑)
押し出すことができないことが分かりましたので、押し出し器で圧縮したそばの塊を刺身こんにゃくのようにカットしてゆでましたところ、非常においしくいただけました!
※自宅で粉砕したためかもしれませんが、GSTIで使用されている北海道産のキタワセよりも青森県産の白神山地の方がそば自体はおいしいかもしれません(笑)
篩にかけたそば殻は結局そばには利用できず、カレーにたっぷり混ぜていただくことになりました(笑)
※そば殻を食べずに廃棄した場合の食品の廃棄率は、約29%の計算です。
※カレーと玄挽き十割そばの食べ合わせの発想はこちらの記事で紹介しています。
GSTIなどの低速回転の石臼を使用して丁寧に作られている玄挽きそば粉は、細かく粉砕されているだけでなく、熱をかけないようにゆっくり時間をかけて職人によって作られている、
【高付加価値商品】ということを理解しました!
GSTIとそばの実の価格差740円は、
【そばをよりおいしく、より健康的にいただくための価値のある出費】
ということで整理できましたので、これからも技術伝承のためにも購入し続けたいと思います♪