ボロディン「韃靼人の踊り」

今日は、「韃靼人の踊り」という愉快な曲を聴きました!
作曲したのはサンクトペテルブルク出身のアレクサンドロ・ボロディン(1833-1887)です。

韃靼人は、英語では、タタール人と呼ばれています。

タタール人は、タタールスタン共和国を中心に、ロシア南部・北部、モンゴル、カザフスタン、トルコなどに多くの地域に住んでいる民族たちの総称だそうです。

中でも、タタールスタン共和国の人口の半数がタタール人だそうです。ロシア連邦管轄地域内ですが、1992年に主権宣言を行ったそうです。同国内にはカザン・クレムリンおよびボルガㇽ遺跡という2つの世界遺産があります。世界遺産登録後、観光にも力を入れているようです。

 

ボロディンは、本業は化学者で、発展途上であったロシアの医学教育制度の確立に多大な貢献をしましたが、その合い間に、ロシア音楽独特の哀愁に満ちた傑作を書き続け、今日では、ロシア国民楽派「五人組」の一人と呼ばれています。

この作品は、ボロディンがオペラ「イーゴリ公」の序曲として作曲した作品です。

オペラ「イーゴリ公」の舞台は、ウクライナ。ウクライナは、黒海の北に位置する国で、かつてはキリスト教国として栄えましたが、隣国のモンゴルやロシアからの支配を経て、現在は、ウクライナの伝統を残しつつ、ロシアとの結びつきが深い国となっています。

実際のところは、ウクライナにおける、タタール人は少数派です。ボロディンは、ロシアではない、物語とは直接関係のない異国情緒を感じさせる音楽をオペラの序曲として用いようとしたようです。

1889年にボロディンが急死した時点で未完の作品でしたが、ニコライ・リムスキー=コルサコフによって加筆および改訂が行われ、1890年マリンスキー劇場で初演されました。

オペラ・イーゴリ公は映画版があるようなので、是非見てみたいと思います!