チマローザ時代(~1801)とロッシーニ時代(1810~)の間に空白の10年と呼ばれる時代が来ます。この時代は、政変があった不安定な時代であり、イタリア・オペラオペラ衰退との関連性が指摘されています。
1796年5月、ナポレオン率いるフランス軍によるミラノを占領。
その後、同年9月にはイタリア全土がフランス軍によって占領されます。
この出来事によって、イタリアオペラは衰退を余儀なくされます。
例えば、これまでオペラの重要な担い手だったカストラートが公序良俗に反するとされ、追放されます。
※カストラートとは、変声期直前に声帯を去勢した男性歌手のことです。宗教的に女性が歌うことを禁じたローマで登場したようです。
その一方、当時進行中の戦争で国外逃亡した貴族について扱った作品がパリの大衆によって人気を博す、フランス演劇がイタリアオペラに新風を起こす、といったプラスの一面もあったようです。特にヴェニスでは、影響が大きく、ファルサという新しい形態の劇が流行る。
ファルサについて調べたところ、非現実的な内容や設定を含むものが多く、日本語では笑劇と訳されているようです。
ファルサの一例として、シェイクスピアのThe Comedy of Errors(邦題:間違いつづき)があります。
この話は有名なシェイクスピアの作品の中でも有名な「リア王」「マクベス」のような悲劇ではなく、最後はハッピーエンドです。ただ、そこに至る過程がやや深刻です。
さて、ロッシーニの時代の幕開けです!