窓ガラスの紫外線対策について

つるさんと生活してみて気が付いたのですが…

つるさんはとても色白で敏感肌なので、

紫外線を浴びるとすぐにしみができてしまうそうです…

(実験をすることはできませんので、かめはつるさんから伝えられることを信頼しております)

 

この事実が、

生涯を通してつるかめのライフスタイルに大きな影響を与えることは間違いないでしょう。

 

紫外線とは

※幸いにもかめは工学系の大学院で電磁気学や量子力学を学んでいたので、つるさんの悩みを解決できるポテンシャルがあると自負しております。

 

まず簡単に紫外線についてお話します。

紫外線とは、一言で言うと電磁波の一種です。

そして電磁波とは、空間中を電界と磁界が振動しながら伝播する波のことです。

次に電界とは…

 

電磁波の物理を正しく理解するには予備知識が必要となりますので、

今回は現状でかめが認識しているポイントを簡単な表現で説明したいと思います。

 

かめは、

1.少数の専門家が、難しい概念を整理し生活に役立つ情報のみを正しく伝えること
2.情報の利用者は、対話を通じて専門家を信頼し、その情報が正しいものとして活用すること

の2点が大切だと考えています。

日本の労働人口が減っていく一方で科学技術はどんどん進歩していきますので、自分の得意でない分野の話は信頼できる専門家に任せて、情報の信憑性を確認する労力を少しでも減らすことができれば理想ですね!

 

かめの実験や考察はつるかめライブラリーに記録してつるさんとの情報共有に利用しておりますが、気が付いた点がございましたらお気軽にご連絡いただければ幸いです。

※当サイトへの記事の投稿を通してかめ自身も学びを深め、過去の記事の内容に誤りがあれば都度訂正して参ります。

 

紫外線の特徴

・紫外線は電磁波ですので、太陽から出発して宇宙空間や大気圏を伝わってつるさんを困らせます。

・地球を覆うオゾン層を通過する際に紫外線が減衰します。

・カーテンや壁があると紫外線は大きく減衰します。

・雲を通過する際も紫外線は減衰しますが、完全ではないため雨や曇りの日も注意が必要です。

・電磁波が人体に及ぼす影響力の大きさは、電磁波の種類によります。身近な電磁波の影響力の大きさは以下の順となります。

X線 > 紫外線 > 可視光線(青:ブルーライト) > 可視光線(赤) > 赤外線 > 遠赤外線 > 電波

・影響力の大きさは人体の部位によって差があります。また、影響力の小さいものを多量に浴びることで影響力の大きいものを浴びたときと同じ現象が起こるわけではないので、種類ごとに対策を考える必要があります。

・紫外線(電磁波)を減衰させる方法としては、反射・散乱・吸収などがあります。
→詳細についてはこちらの別の記事に記載されています。

ガラスの紫外線吸収について

 

・紫外線が通過するものの形状や材質によって減衰の大小が決まります。

・紫外線(電磁波)を減衰させるには反射が効果的です。一方で、平坦で平滑な反射面が必要となるため、適応範囲や材質が限定されます。

・紫外線(電磁波)は、雲や日焼け止めを構成している特定の微粒子を通過する際に散乱によって減衰します。

・紫外線(電磁波)は、特定の分子に反応して吸収されます。紫外線を吸収した分子は分解・変形などを通して、紫外線のエネルギーを熱に変換するケースが多いです。

 

長くなってしまい申し訳ございませんが、上記の特徴をふまえて、記事のタイトルの内容に取り組んだ結果を紹介します。

つるかめの館 ~ヴァンパイア生活の始まり~

つるさんのために紫外線対策をさっそく考えました。

家で手軽にできる対策として、とりあえずガラス窓に全てカーテンをしてみました!

 

一日中カーテンを閉め切って家の照明だけで過ごしていると、

まるでヴァンパイアにでもなったような気持ちですね!(笑)

(にんにくをたくさんきざんでおいしい餃子とトマトジュースを楽しみました♪)

一日中照明をつけているのはエコ意識が高いつるさんとしても問題意識がありましたので、

窓ガラスに細工できないか考えてみることにしました。

※ちなみに冬は暖房器具の消費電力のほうがLED照明よりも大きいため、期間限定で窓ガラスが断熱材で埋め尽くされたヴァンパイアの館となっております(笑)

窓ガラスの紫外線対策

カーテンの問題点は、可視光線や赤外線なども遮られてしまい明るさや温かさも失われてしまう点です。

窓ガラスに細工する上で、紫外線を選択的に減衰させる方法を考えていきます。

 

社宅の窓ガラスは改造ができませんので、今回はフィルムを貼って対応することとしました!

材料:遮光遮熱フィルム
・RSAシリーズ-RS50A[ネックスフィルム製:PETフィルム層50μm+粘着層10μm、UVカット]
<ポイント>安価に紫外線対策(UVカット)が可能です。防犯効果はありません。

 

今回のフィルムは窓ガラスの透明度を落とすことなく、UVカットできるタイプを選定しました。

UVカットの効果を追求すればするほど、フィルムの透明度は落ちてきますので、試しに貼ってみて効果があるか確かめたいと思います。

 

肝心のUVカットの原理ですが、販売サイトには材料やメカニズムが表示されていないため以下の内容でかめなりに考察しました。

・PETフィルム層の材料は、フィルムの強度を保つためにポリエチレンテレフタラート(PET)が使用されていると考えられます。

・PETは紫外線劣化を起こすため、屋内用の当フィルムのUVカット成分は10μmの粘着層の方に含まれていると考えます。

・網入りガラスへ貼り付けに対して補償を行っていないため、紫外線や可視光線を吸収する有機系の材料が粘着層に練りこまれていることが考えられます。材料の劣化が懸念されますので、経年劣化がないか観察していきたいと思います。

※全てかめの想像となりますので、気になる方はメーカーさんへお問い合わせいただくのが良いと思います。

 

ちなみに、UV99.99%に加えて一部のブルーライトもカットできる高性能モデルも別の建物で試しましたが、ブルーライトについては別の機会に考察してみたいと思います。

 

施工方法

①窓ガラスのサイズを測定し、販売サイトのアドバイスに従って適切なサイズのフィルムを窓枠ごとに注文します。

②届いたフィルムのサイズに間違いがないことを確認し、付属の説明書に従って、接着液(付属)と霧吹きヘッド(付属)と500ml空きペットボトル(要準備)を使用して施工準備を行います。

③フィルムを貼り付ける窓ガラスの室内側を、あらかじめきれいに清掃しておきます。水がかかってはまずいものは片付けておきます。

④セロハンテープでフィルムに付いた保護用フィルムを剥がしながら、準備した霧吹きでフィルムの粘着面を湿らせます。(静電気によるほこり付着対策)

⑤貼り付ける窓ガラス側を霧吹きでまんべんなく濡らし、フィルムを貼り付けます。

<ポイント>
フィルムと窓の間に十分な水があればいくらでも位置調整や貼り直しができますのでしっかり濡らしましょう。またフィルムの中に閉じ込められた気泡は、気泡があるところまで角のほうから剥がして、しっかり霧吹きをかけながらゆっくり貼り戻していくことできれいに除去できます。
・かめは1人でやりましたが、2人以上でやることをオススメします。

⑥位置が決まって気泡がなくなったところで、中央から圧力をかけて外側へ水分を押し出していくことで接着されます。フィルムにキズが付きにくいプラスチック製の平坦なへらを使うのが良いです。(かめは冷凍庫用の霜取りを使用しました)

⑦周辺に飛び散った水分を処理したら完了です。

紫外線強度の測定

透明度が高いフィルムを選んだこともあって、窓ガラスから見える景色にはほとんど変化はありません!

ただし、肝心のUVカットについては、紫外線と言うだけあって人の目で確認することができません…

つるさんのお肌には高感度の紫外線感知バイオセンサーが備わっているようですが、定量的な判断が難しいので、紫外線強度を測定する器具を購入しました。

 

計測器:紫外線強度計
・SP-82UV[マザーツール製:測定波長250nm~390nm、測定レンジ0~1999μW/cm2]

 

電磁波はその波の長さ(波長)によって分類されます。

波長の詳しい説明は省きますが、地表に到達する恐れがある紫外線は次の3つの近紫外線に分類されます。

・UV-A ・・・ 波長315nm~380nm ← 影響力はB,Cより小さいですが、紫外線強度のうち占める割合が大きいです。

・UV-B ・・・ 波長280nm~315nm ← 影響力はAより大きいですが、紫外線強度のうち占める割合は小さいです。

・UV-C ・・・ 波長200nm~280nm ← オゾン層があるうちは地表には到達しません。

※電磁波は波長が短いほど、人体への影響力が大きいと考えられます。

今回購入した計測器の測定範囲がUV-A~UV-Bの範囲をカバーしているので、機能としては十分です。

 

試しに白色LED照明の直下で図ってみたところ、可視光が測定される様子はなさそうでした。

測定条件:2019/2/9 13:00 LEDシーリング照明直下
測定結果:0μW/cm2

 

比較実験のために、フィルムを貼らなかった窓ガラスでも測定し、窓を開けた状態と閉めた状態で測定しました。

まずはフィルム無しの窓ガラスの開け閉めで比較しました。

測定条件:2019/2/9 13:10 曇り  ガラス窓開放
測定結果:166μW/cm2

 

測定条件:2019/2/9 13:10 曇り  フィルムなしのガラス窓越し
測定結果:115μW/cm2

 

真冬の曇りの天気にもかかわらず、紫外線が降り注いでいることが分かり、

ポケットタイプの計測器の感度としては十分と言えそうです。

また、通常の窓ガラス越しでもUVカットされている点は少し意外でした。

近紫外線の波長域で想定される反射率は10%も満たないため、理由としては

窓ガラスの汚れで散乱したことが考えられます

 

いよいよ、フィルムありの窓ガラスの測定結果です!!

測定条件:2019/2/9 13:15 曇り  ガラス窓開放
測定結果:220μW/cm2

 

測定条件:2019/2/9 13:10 曇り  フィルムありのガラス窓越し
測定結果:0μW/cm2

 

Brilliant!!

計測することができないレベルまで紫外線が減衰されていました!!

これでカーテン開け放題ですね、つるさん!!!

 

感想

実際の測定による数値検証ができましたので、嬉しくて記事が長めになってしまいました。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

 

実のところ、今回のフィルム貼り付け自体は2017年8月に実施しております。

かめの残業が厳しく、つるかめライブラリーも設立されていなかったため、比較検証を行った写真の記録は残していませんでした…

経年劣化の有無を確認する意味で、一番暑い時期に再度測定してみたいと思います!

 

また、測定されるμW/cm2の単位の紫外線強度が、どれほどお肌に影響があるかを確認する必要があります。

ひとまずつるさんのセンサーにも反応がないようですので、効果的な対応だったと満足しています。

続編

こちらの記事で、紫外線強度測定を継続して行っております。

紫外線測定記録1(2019年3月9日@社宅)