借り上げ社宅に引っ越して落ち着きましたので、真夏にも紫外線測定を行いました。
また、単に測定しているだけでは芸がないので、UVインデックスの概算にも挑戦しました!
※前回の紫外線測定記録は、こちらの記事で紹介しています。
真夏の紫外線強度
過去の測定でシンガポールの赤道直下の紫外線強度をGETしているので、
【日本の真夏のMAXの紫外線強度】
が気になるところですね!
<測定日時:2020年8月15日13時 晴れ>
4,000μW/cm²
ややや!シンガポールでの測定記録である4,310μW/cm²に迫る勢いです!!
気になるのは、
これがどれだけ肌に影響があるかですね!!!
どうやら気象庁では、
【UVインデックス】
による影響度の評価と対策の呼びかけを行っているようです。
※詳しくは気象庁の「UVインデックスとは」「UVインデックスを求めるには」の以下のサイトに掲載されています。
・UVインデックスとは:https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-50uvindex_manual.html
・UVインデックスを求めるには:https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-51uvindex_define.html
算出方法も含めて、かめ(管理人)なりにポイントをおさえると以下の通りとなります。
- 世界保健機関(WHO)も活用している世界共通の評価基準。
- 0~11+(プラス)までの連続する数字で示されている。
- 紫外線の波長による肌への影響度の違いを重みづけして計算している。
- レベルごとに色分けされており、危険度が直感的に把握できる。
その日のUVインデックス予想も、気象庁の以下のリンクに先毎日更新されているようですので、とても参考になりますね!
https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvindex/index.html?elem=0&area=0&lat=34.2&lng=138.53&zoom=5
ただし、このUVインデックスに比例する、
【紅斑紫外線量】
は、皮膚に赤い日焼けを生じさせるような強い紫外線の影響度が高く計算されています。
従って、冬場でも多く観測されるUV-A(波長315nm~380nmの紫外線)は、
影響度が小さく計算され、UVインデックスも小さくなると言えます。
KOSEさんの以下リンク先のサイトの情報によれば、
【UV-Aはシワ・タルミの原因になる】
ようですので、肌ケアにはUVインデックスだけでは不十分と言えそうですね!
https://www.kose.co.jp/jp/ja/kirei/uv-care/step1/index.html
※画像はKOSEさんの上記のリンク先のサイトより抜粋。
また、紫外線量は暑さや寒さ、雲の量のように直感的に得られる情報と少し乖離がありますので、今後も紫外線強度計で測って確認するのが良さそうですね!
<これまでの測定記録>
場所 | 年/月 | 時間 | 紫外線強度 (μW/cm²) |
---|---|---|---|
シンガポール | ’19/11 | 15時 | 4,310 |
日本(関西) | ’20/2 | 13時 | 2,830 |
日本(関西) | ’20/8 | 13時 | 4,000 |
冬でも紫外線強度は高いです!
UVインデックスは低く算出されるので確かに日焼けにはなりにくいですが、UV-Aが多いので肌ケアは油断禁物です!
UVインデックスを概算しよう
ここで、かめが今まで計ってきた紫外線強度を、
UVインデックスに変換することを考えてみました!!
(肌ケアの面ではあまり意味はありませんが…)
1.気象庁のサイトに掲載されている、影響度が反映された強度曲線を目測で積分する。
気象庁「UVインデックスを求めるには」のサイトには参考として、
①地表に到達する紫外線強度曲線を
②波長毎の人体への相対影響度を示す係数で
重みづけした、以下の紫外線強度(【紅斑紫外線量】)の曲線が掲載されています。
これをUV-BとUV-Aの領域に分割し、簡略化したグラフを積分してみます。
・UV-B紫外線強度積分値:178.3mW/m²(グラフ中の①の面積)
・UV-A紫外線強度積分値:46.7mW/m²(グラフ中の②の面積)
⇒UVインデックス計算値:9
なかなか暑い時期のグラフが掲載されていると想定されますね。
2.気象庁のサイトに掲載されている、地表に到達する紫外線強度曲線も目測で積分する。
気象庁「UVインデックスを求めるには」のサイトに同様に掲載されている、以下の強度曲線を同様に積分してみます。
対数グラフを目測で書き換えて、おおよその積分値を計算します。
・UV-B紫外線強度積分値:1,500mW/m²(グラフ中の①の面積)
・UV-A紫外線強度積分値:58,500mW/m²(グラフ中の②の面積-①の面積)
⇒UV-Bに対するUV-Aの強度:39倍
こちらの39倍という数値は、ちょうど先ほどのKOSEさんのサイトで発見したUV-BとUV-Aの月別変化グラフの中の、8月の関係性と合致しています。
※当グラフのkJ/m²の単位は、その月の全ての日の日中の紫外線エネルギーを時間積分した数値と推測されますが、瞬時値であるmW/m²とUV-BとUV-Aの比率の関係性はほぼ同じと考えられます。
従って、先ほどの
なかなか暑い時期のグラフが掲載されている
という想定が、なかなか確からしいように思われました。
そこで、入射強度に対する紅斑紫外線量への変換効率をUV-BおよびUV-Aの積分値ごとに算出します。
・紅斑紫外線量への変換効率(UV-B):178.3÷1,500 ≒ 12%
・紅斑紫外線量への変換効率(UV-A):46.7 ÷ 58,500 ≒ 0.08%
UVインデックスの算出にUV-Aがほとんど寄与していないことがよく分かりますね。
3.KOSEさんのサイトに掲載されている、UV-BとUV-Aの月別変化グラフから比率を目測する。
先ほど登場したグラフのUV-BとUV-Aの紫外線エネルギーの数値を月ごとに目測し、2種類の紫外線の強度の比率を求めます。
月 | UV-B (kJ/m²) |
UV-A (kJ/m²) |
UV-B率 |
---|---|---|---|
1月 | 5.5 | 420 | 1.3% |
2月 | 8.0 | 520 | 1.5% |
3月 | 12.5 | 680 | 1.8% |
4月 | 17.0 | 820 | 2.0% |
5月 | 20.5 | 920 | 2.2% |
6月 | 22.0 | 920 | 2.3% |
7月 | 24.5 | 920 | 2.6% |
8月 | 25.5 | 960 | 2.6% |
9月 | 18.0 | 740 | 2.4% |
10月 | 11.0 | 540 | 2.0% |
11月 | 7.0 | 400 | 1.7% |
12月 | 4.5 | 340 | 1.3% |
冬至~真夏にかけて、
全体の紫外線強度に対するUV-Bの割合が1.3~2.6%と2倍ほど増加しているのが分かりますね。
4.手持ちの測定器の補正係数を決定する。
かめが紫外線強度測定に利用している、
【SP-82UV [マザーツール製:測定波長250nm~390nm]】
は、今回の計算範囲である390nm~400nmの測定は保証されておらず、また、全ての波長域で均等に強度が測定できる確証もありません。
|
そこで、今回真夏に測定した4,000μW/m²が、
これまで計算に利用してきた気象庁「UVインデックスを求めるには」のサイトに掲載されているサンプルの紫外線強度分布と同じ気象条件であった
と想定します。
これにより、かめが今回社宅で測定を行った太陽光は、
・UVインデックスが9(1.の計算結果より)
・正しい全紫外線強度は60,000mW/m²(2.の計算結果より)
であったこととします。
「UVインデックスが9」についてはそんな感じの日差しだったのでOKですが、「全紫外線強度は60,000mW/m²」は測定値より1.5倍大きいです。
この点については、測定器が何らかの理由により測定できていないとして、
【つじつま合わせの補正係数】を以下の①②の通り設定します。
①390nm~400nm近傍が測定できないため、UV-A全体の17%分が低く測定されるとします。
②それに加えて、UV-Bも加えた全体の紫外線強度の20%分が低く測定されるとします。
この計算式に、今回真夏に紫外線強度計で測定された4,000μW/cm²(40,000mW/m²)などの数値を代入すると、気象庁のサイト上のグラフで目測で積分したUV-BとUV-Aの紫外線強度とほぼ同じ数値が算出されることが確認できました。
このUV-BとUV-Aごとの数値に、2.で算出した【紅斑紫外線量への変換効率】をかければ、UVインデックスを求めることができます!
実際に2月に測定した値で、UVインデックスを求めることにします!!
<計算条件>
・2月の紫外線測定強度[X]:2,830μW/cm²(28,300mW/m²)
・2月のUV-B含有強度比率[P]:1.5%
・紅斑紫外線量への変換効率(UV-B):12%
・紅斑紫外線量への変換効率(UV-A):0.08%
<計算結果>
・UV-B紫外線強度[YB]:637mW/m²
・UV-A紫外線強度[YA]:41,852mW/m²
・紅斑紫外線量:110mW/m²
・UVインデックス:4.4
関西の2月の晴れた日で、UVインデックス4.4はなかなかいい感じの計算結果です!
Brilliant!!!
これで手持ちの紫外線強度計を使用して、
【日本国内限定でUVインデックスを概算】
できるようになったわけです♪
気象庁に掲載されているUVインデックス分布図は、自分がいる場所の値を細かく確認することはできませんので、手持ちの計測器で確認できるのは便利ですね!
何より、UVインデックス以上に、
UV-Aも含めた紫外線強度が測定できますので、お出かけの際には今後も肌ケアの目安としてフル活用したいと思います!!
続編