お風呂場の大規模断熱工事によって、お風呂場が驚くほどに温かくなりましたが、1つ問題が発生しました。
お風呂場で冬眠していたチョウバエが、真冬にもかかわらず、温かさに反応して目を覚ましたのです(笑)
チョウバエを目覚めさせたお風呂場の大規模断熱工事は、こちらの記事で確認できます。
チョウバエについて
温かい時期になると社宅のお風呂場では、「チョウバエ」と呼ばれる小さな昆虫が大量発生していました。
添付の写真がチョウバエの成虫と幼虫になります。
※主にお風呂場に大量発生するチョウバエは、「ホシチョウバエ」と「オオチョウバエ」のどちらかですが、成長の過程や生態はどちらも似ていますので、当記事では「チョウバエ」として省略します。
チョウバエはお風呂場の有機物の堆積物から栄養を摂取し、みるみるうちに増殖していきます。
チョウバエが増えたところで健康・衛生面で何か問題があるわけではありませんが、廊下やリビングまでこられるとさすがに気になると思って、残業帰りの夜中にお風呂に入りながらチョウバエと裸の格闘をしていました。
夏場は、
「かめ百裂拳」とか言って、容赦なく叩き潰してましたよ(笑)
一方で、
悪気のない何千ものチョウバエさんたちに一匹のかめの残業のストレスをぶつけて、多くの命を奪っている状況
は権力の乱用ではないかと感じていました。
これはまさに、
書類のちょっとした体裁や自らの評判を気にして部下に余計な残業を要求し、かめのワークライフバランスを崩壊させている上司
とやっていることが同じではないかと考えるようになりました。
かめは、
自分より不利な状況にある生き物には極力悪い影響を与えないようにして生きていきたいと考えています。
お風呂場に大量発生したチョウバエも、
発生したチョウバエを殺すことではなく、居住空間を分離することで共存を図っていきたいと思っています。
断熱工事によって目が覚めてしまったチョウバエは、
お風呂場を使用していない日中の寒さで動きが鈍くなって、生きているのが辛そうです…
お風呂場に迷い込まないような策を考えていきます!
チョウバエの住まいを確認
社宅のお風呂場では、イラストのようにバスタブの下や排水溝周りでチョウバエが生活していることが考えられます。
排水溝が定期的に詰まっていたので、写真の排水溝内部の落とし蓋のようなものを取り除き、網戸のネットを貼り付けて処置していましたが、
排水溝の配管を伝ってチョウバエがネットに産卵し、この頃からお風呂場でよく見かけるようになりました。
また、バスタブの下の部分は水が流れるように空洞が設けられていますので、
この空洞の水の流れが緩やかな部分をすみかにしてチョウバエが大量発生するようになりました…
バスタブの下は水が流れにくいところがあり、掃除も容易ではないため、一度住み着いてしまうといくら駆除しても沸いて出てきます(笑)
バスタブの排水経路も確保しつつバスタブ下の空洞のチョウバエの行き来を遮ることができる方法を考える直す必要がありました…
試しに写真のようなおもり入りの発泡スチロールで蓋をして様子をみることにしましたが、
バスタブのお湯の排水時に卵・幼虫・蛹が発泡スチロールのすきまから流れ出ててしまい、効果的ではありませんでした…
成虫は発泡スチロールの蓋の部分を通ることはできなさそうでしたが、チョウバエに会わないようにするためには水路も空間も分離する必要があるように思えました。
<問題点のまとめ>
1.排水溝のつまりを解消するために落し蓋を取ってネットを張ったところチョウバエが侵入してくるようになった。
2.バスタブ下の水路は完全に塞がなければチョウバエが繁殖し湧き出てくる。
3.ネットや発泡スチロールの蓋は定期的に掃除をしなければ、汚れが付着してチョウバエの温床となる。
3つめの問題点は先ほどは記載しませんでしたが、お風呂場の手入れが増えるような方法は避けたい思いもありましたので追記しました。
ネットの目を細かくする方法も考えましたが、有機物の汚れが詰まりやすくなり掃除の頻度も上がりますので、
フィルタータイプのセパレーターの採用によるチョウバエ対策は難しい
との結論となりました。
お風呂場のチョウバエ対策をインターネットで検索すると、薬品による駆除が最も手軽で効果的なように思われました。
それでもかめは、
「物理的に居住空間を分離する」という、環境にもチョウバエの生活にも優しい方法にこだわります。
構造検討
ネットやフィルターが使えない、着脱式の蓋も使えない、汚れも気にしなければならないということで、かめは以下の2つの構想を練っていました。
①テフロン製の漏斗のようなもの積み重ねて汚れがつきにくいラビリンス構造の排水溝を作る
②ステンレス製の板金によってバスタブの下の水を排水溝の下まで直接導く水路を作る
ラビリンス構造とは、回転体の軸の密封に使われるラビリンスシールからヒントを得てかめが勝手に名付けて呼んでいる構造となります(笑)
以下のイラストの通り排水が通る道を何度も何度も凸凹に曲げた構造を作ることで、チョウバエがゴール(排水溝の最上部)までたどり着けないようにする考えです!
まさに、ラビリンス(Labyrinth=迷路)!
チョウバエは飛行能力や歩行能力が高くないようですので、ラビリンス構造の排水溝の上部から定期的に水が流れてきたら、お風呂場まで無理に侵入するのをあきらめてくれそうですね(笑)
また、バスタブの出口から排水される水をラビリンス構造の入り口(排水溝の最下部)まで導くことで、チョウバエの家族がつるかめのシャワー室に流れて来ないように水路を作ります。
ここまでやればチョウバエ対策は問題なさそうですが、
テフロンやステンレスの材料が高く、現場での加工・位置合わせや接合箇所の強度の確保が難しいためなかなか実行に移せませんでした…
かめが頭を悩ませていたところ、日常生活の中に奇跡の出会いがありました!
それは、
納豆のふた!!
ではなく、
カスピ海ヨーグルト 脂肪ゼロの容器!!!
今回は、つるさんの食欲とかめのチョウバエへの愛情が爆発した結果、
カスピ海ヨーグルトの容器でできた排水溝 【かめの甲羅2号】
ができあがりました!!
何がそんなに奇跡だったかは、作成手順の中で紹介していきます♪
排水溝作成開始
1.フジッコさんのカスピ海ヨーグルトをたくさん食べます。
かめは乳製品を食べませんので、今回はつるさんのおかげで素敵な出会いがありました♪
今回使用した容器は10個です。※他の社宅のお宅の排水溝工事が何箇所もできるほど材料は潤沢にありました(笑)
脂肪ゼロでない普通のカスピ海ヨーグルトの容器も同じ形状ですが、かめはMy Favorite Colorである水色と白色がふんだんに使われている脂肪ゼロタイプの容器が好みです!
2.その他の材料を手配します。
①塩ビパイプ(VP-13 2m、エルボ3箇所分用意) 348円 (ホームセンター)
②ゴム板(300×300×厚さ5mm) 852円 (ホームセンター)
③ふるさと納税 白糠町お礼の品「いくら」の保冷用の発泡スチロール
※その他工具や雑材はこれまでのDIYの残留品を使用しました。
突然の思いつきでその日中に材料の手配と工事を完了させましたが、
1200円しかかかっていないとは思えないほどの完成度となり、今回の甲羅の性能にかめも非常に驚いております。
テフロンとかステンレスは1つのパーツだけでも1200円は超えてきますし、工事を依頼したら工費で1万円くらいは請求されそうですね♪
3.排水溝のサイズとカスピ海ヨーグルトの容器のサイズを確認します。
試しにヨーグルトの容器を排水溝に入れてみます。
!!!
Brilliant!!
何というフィット感!!
今日、この瞬間のために創り出されたとしか思えないほど、容器の形状が排水溝の開口径にマッチしています!!!
実はこのカスピ海ヨーグルトの容器は、ここ数年で紙容器だったのがプラスチック容器に変更されているんですよ!
これは、
残業のストレスをチョウバエにぶつけていたかめの悲痛の叫びが、フジッコさんの開発担当殿に伝播して、容器の製造工場の建設に至ったとしか思えません!!
そして、思いがけずに家の中に積み重ねられていったヨーグルトの容器が、今日、排水溝にはめられたことの全てが、
奇跡としか思えません!!!
興奮しすぎて、つるさんに笑われてしまいました(笑)
※仮に他のお宅で試される場合には、ヨーグルトの容器のサイズと排水溝の開口径をものさしで測って確かめておきましょう!
4.ヨーグルトの容器の底に大穴を開けていきます。
排水溝の落とし蓋の部分は排水溝が凸になっていますので、ヨーグルトの容器を奥まで詰められるように底に穴を開けます。
カスピ海ヨーグルトの容器は、運搬中に破損してヨーグルトがこぼれないように頑丈に作られていますので、まず100円ショップのハンドドリルで大穴の外周にいくつか小穴を開けます。
小穴に沿ってカッターの切り込みを入れることで安全に大穴が繰り抜けます。
ここでもカスピ海ヨーグルトの容器の奇跡に気が付きました。
ヨーグルトの容器の底から1cmほどの高さに、積み重ねた容器を受けるためのストッパーが付いていました!
これは、
ラビリンス構造の排水溝を作ったときに排水が詰まらないようにフジッコさんが配意してくださって、かさ上げされているとしか思えません!!
なんと、パッケージをよく見てみるとカスピ海ヨーグルトは、
「お客さまの声から生まれました【ぴったりフィット】カップ」らしいですよ!!
こんなにも作りこまれたヨーグルトの容器は見たことがありません!!!
フジッコさんやりますなぁ!!!
排水溝の構造を詳しく説明していなかったため、この興奮は最後までつるさんに伝わりませんでした(笑)
この大穴の容器を3個積み重ねたところで、落とし蓋の凸の上端まで到達しました!
5.ヨーグルトの容器の底に2種類の穴を開けます。
大穴のときと同じ要領で、ハンドドリルとカッターを使って2つの穴を開けます。
①ラビリンス構造の通路となる穴
②バスタブの底の排水を流すための管路を通す穴
排水溝の要となるラビリンス構造は、フジッコさんのご配慮により、
容器の底の片側に写真の穴を開けて互い違いに重ねるだけで構築できます。
この施工性の高さも、万が一排水が詰まったときでも分解可能なメンテナンス性の高さも、
全てが奇跡としか思えません!!!
中央に開けた小穴にはバスタブ排水用塩ビパイプを貫通させて、ラビリンスの入り口まで排水できる水路を作ります。
塩ビパイプが落ちないように、通したときにはまるぐらいの開口サイズとします。
6.穴を開けた容器を重ねたときに高さが合うように輪切りにします。
排水溝の鉄の円形のフレームに最終的にゴム板を挟みこんで固定しますので、容器を全て重ねたときにゴム板がちょうど良く挟まるように容器の高さを揃えます。
カスピ海ヨーグルトの容器でマトリョーシカを作ったのは、かめぐらいだと思いました(笑)
これも「世界に一つだけの甲羅」ですね♪
7段のラビリンス構造でチョウバエがどこまで上がってこられるか楽しみです!
7.容器のすきまを埋めるためのゴム板をカットして挟み込むみます。
ここでもちょっとした奇跡があったのですが、割愛させていただきます(笑)
もはや、もともと排水溝として社宅と一緒に作られたような風格ありますね!
8.塩ビパイプの長さを測り必要な長さにカットします。
当初はステンレスの板金でバスタブ下の排水を流す水路を作る予定でしたが、バスタブの下に塩ビパイプが通せそうでしたので、
バスタブ下の空間に水が流れないように配管接続することとしました!
3個のエルボを使用して、バスタブの排水口から先ほどのヨーグルトの容器の中央の最下段の小穴まで配管経路を構築します。
バスタブの下に手が入れられないため、いろいろ工夫して何とか接続を完了させました!
9.バスタブの排水口のすきまを埋めるためのゴム板をカットして挟み込むみます。
この後バスタブの下の空間は完全密閉となりますので、
水が漏れないようにきつめのサイズでゴム板をカットして指力で押し込みます。
バスタブ備え付けのゴム栓が入らなくならないように、確認しながら行います。
10.発泡スチロール容器をバスタブ下の空間の出口にカットして詰め込みます。
おもりつきの蓋をしただけでは、チョウバエの卵や蛹などが流れてくるため、完全に塞いでしまいます。
塩ビパイプを少し浮かせて発泡スチロールに固定することで、床面と発泡スチロールの密着性を高くし、同時に塩ビパイプの露出部分の床面の水の流れも遮らないようにします。
隙間や境界にシリコンコーキングをしたら完成です!!
通水試験
実際に出来上った排水溝に水を流してみると、シャワーで流す量の水であれば問題なく流れていくことが確認できました。
円形の中央に穴がありくぼんだ形状になっているため、渦状の水流が発生しスムーズに水が流れていきます!
さらに、
小さなゴミであれば流れをせき止めることなく排水管まで流れていくため、排水溝のお掃除が不要となりました!
同様にバスタブの方にも水をためて流してみました。
以前は排水溝が詰まって、バスタブの下の空洞の汚れがシャワーのエリアまで漂流してくることもありました。
ヨーグルトの容器からの逆流もなく終始穏やかに排水されることが確認できました。
感想
今回の工事は、
かけたお金や労力に対して、非常に大きな改善効果が得られましたので終始興奮状態でした!!
かめは今、
カスピ海ヨーグルト脂肪ゼロの容器への感謝の気持ちでいっぱいです!
ありがとうカスピ海ヨーグルト!
ありがとうカスピ海ヨーグルト!!
最後になりましたが、チョウバエの発生状況の変化を報告します!!!
1週間経過してからは1匹も発生しなくなりました!!!
おめでとう!!!!!
今回のかめの甲羅2号は、
かめの「殺生を避けたい」強い思いが込められたこだわりの一品となりました♪
2019年度グッドデザイン大賞は 「カスピ海ヨーグルト脂肪ゼロ」
2019年度グッドデザイン金賞は 「かめの甲羅2号」 で決まりですね!
※画像はリンク先のグッドデザイン賞のサイトより抜粋
http://www.g-mark.org/
追記 2019.3.28
1ヶ月もたたないうちに排水溝のつまりが発生しました(笑)
実施した対策は続きの記事で紹介します。