エルガー「愛の挨拶」

身分差&歳の差&宗教の差の三重違いの結婚を乗り越え、共に人生を歩んだ妻、アリスに捧げた一曲。
女性に人気の曲だそうで、ピアノ独奏版、ピアノとヴァイオリン用、小編成の管弦楽の楽譜などを残したそうです。

エッフェル塔建設で有名な第四回パリ万博が開催され、インドネシアのガムラン音楽にクロード・ドビュッシーが触れた年です。

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インドネシアの民族音楽と現代

エルガーはピアノ調律師でオルガン奏者の父、芸術の造詣が深い母の元に生まれた。父はヴァイオリンも弾けたので、エルガーは父からヴァイオリンとピアノを習ったそうです。

また、若かりし時からピアノ調律で名家を訪ね、演奏を披露する機会が度々あったそうです。

ところで、冒頭で身分差&歳の差&宗教の差の三重違いの結婚と書きました。

エルガーはイングランドのウスターで、名家の娘で小説家、エルガーのピアノの生徒だったアリスと1889年に結ばれます。

しかし、エルガーは労働者階級であったうえに、エルガーがアリスより8歳年下であったこと、エルガーがカトリック教徒であったのに対してアリスがイングランド国教会の一派に属していたことが3重に重なり、アリスの両親には結婚を反対されます。

なかなか職を得られなかったエルガーですが、身分の差を乗り越え、結婚してくれたアリスの存在が彼にどれほどの勇気を与えてくれたことでしょう♡

エルガーは1904年にナイトの称号を叙されます。イギリスの階級制度では、ナイトの称号がある男性の夫人にはレディという称号が与えられるそうです。

身分制度に立ち向かったアリス夫人の行動は、皮肉なしに、レディの称号に値する人物だと言えるのではないでしょうか!