借り上げ社宅の大窓の断熱に挑戦!

借り上げ社宅に引っ越してきて、断熱を全て一から見直す必要が出てきました。

今回は【借り上げ社宅断熱シリーズ】の第2弾として、最も熱損失が大きいと思われる大窓の断熱に挑戦します!

 

第1弾の小窓は手軽に終わらせましたが、今回の大窓はなかなかこだわりました。

過去の小窓の断熱の記事はこちらから確認できます。

借り上げ社宅の小窓を手軽に断熱しよう

 

借り上げ社宅の窓断熱施工を考える

添付の写真が今回の断熱対象である、部屋の中で最も大きな大窓です。

 

前の社宅の窓断熱は、スタイロフォームにアルミテープとビニルテープを貼り付けて作った断熱ボードを利用しました。

窓枠の内側に貼り付けた100円ショップの隙間テープに断熱ボードをはめ込む形で利用しておりましたが、その時に気付いた欠点や今回導入する上での課題を整理し、対策を考えてみました。

※前の社宅の窓断熱の記事は、こちらの記事で確認できます。

社宅の窓断熱について

 

<前の社宅の窓断熱の欠点と対策>
  1. 断熱ボード2枚を重ね合わせている部分があったが、2枚をくっつける仕組みはなく、隙間から空気が出入りしていた。
    【対策】断熱ボードを重ね合わせると隙間が発生するので、側面に強力マグネットを埋め込んで突き合わせて密着させる。
  2. 断熱ボードをはめ込むために使用していた隙間テープのスポンジ部分の断熱性能が、押出発泡ポリスチレンより悪い。窓枠との密着のために利用する材料はどうしても断熱性能が低いため、極力薄くすることが望ましい。
    【対策】隙間テープよりも薄い、マグネットシートを利用して、窓枠と断熱ボードを密着させる。
  3. きれいにはめ込むにはコツがいるため、気が付くと隙間がよくできていた。窓枠の内側に押し込むと季節による熱膨張により隙間が発生する。
    【対策】窓枠の外側でマグネットで簡単に取り外しできるようにする。

 

<借り上げ社宅における窓断熱の課題と対策>
  • 大窓の高さ&幅共に、押出発泡ポリスチレンの定尺の長さ1,820×910mmよりだいぶ大きいため、2枚の断熱ボードだけでは窓全体を覆い隠すことができない。
    【対策】大判の断熱ボードを自作する!!
  • 窓枠に木ネジで金具を固定したり、マグネットを仕込むための凹みを掘ったりすることができない。
    【対策】マグネットシートを剥がせるタイプの両面テープで貼り付けて、断熱ボードを固定する。

 

要するに、

 

今回はマグネット攻めじゃー!!(笑)

 

材料選定

まずは断熱材。借り上げ社宅断熱の第1弾ですっかり気に入った、ハイグレードのスタイロフォームを利用します。

 

押出発泡ポリスチレンフォーム「スタイロエース-Ⅱ」
[ダウ化工製:1.82m×0.91m×2.5cm 水色 熱伝導率0.028W/(m・K)]
メーカーサイトURL:https://www.dupontstyro.co.jp/styrofoam/spec.php

そして、アルミテープ、ビニルテープを100円ショップで調達しました。

今回のポイントの1つは、

アルミテープも100円ショップで購入するようにした点です!

 

前回は、空調屋さんが工事で利用するような強度のあるしっかりとしたアルミテープを利用しましたが、紫外線カットの目的であればどんなに薄いテープでも良いわけです。

100円ショップで見つけたアルミテープはとても薄いですが、剥離紙付きで扱いやすく、とても安価なのでよい買い物をしました♪

 

また、今回の工事のかなめである

マグネットや両面テープ一式も100円ショップで購入しました!!

 

  • 強力マグネット:2枚の断熱ボード間を密着させるために利用
  • 木ネジ:強力マグネットを断熱ボードに定着させるために利用
  • マグネットシート:窓枠と断熱ボードをくっつけるために利用
  • 強力両面テープ:断熱ボードにマグネットシートを貼り付けるのに利用
  • 剥がせる両面テープ:窓枠にマグネットシートを貼り付けるのに利用
    ※マンションのマナーを守ってDIYを楽しみましょう!

 

ネットショップも検討した上で、断熱材以外の材料が100円ショップで全て揃えられたのは、

かめの中では大きな喜びポイントです!

 

 

窓断熱施工

今回は多数の改善ポイントを盛り込みましたので、期待感でテンポよく作業が進みました♪

 

<作業手順>
1.工具を揃える。

基本的な工具は第1弾の小窓断熱の時と同様に、カッター、木材、メジャー、シャープペン、ハサミです。

 

 

 

2.採寸する。

今回の断熱対象の大窓は、窓枠外側の寸法で幅2,260×高さ2,285mm
かめが住んできた家の中でも、モンスター級の規格の窓です(笑)

 

複数の断熱ボードに分割するのは断熱上好ましくないので、2枚の大判断熱ボード(幅1,130×高さ2,285mm)を自作することにします。

 

 

3.切断する。

やり方は小窓断熱の時と同様です。

 

ただし、大判断熱ボードを作成する上で、スタイロエース-ⅡをL字型に加工する必要がありますので、かなりの切断精度が求められます。

 

多少慣れが必要ですが、木材を利用した切断方法が可能となったことで、

断熱ボードを突き合わせて継ぎ足ししても、隙間が気にならないきれいな接合面が得られました。

 

これもスタイロフォームのグレードアップによる強度UPのおかげです!

 

 

4.側面にマグネットを仕込む。

円形の強力マグネットを2枚の大判断熱ボードの接合面に仕込みます。

スタイロエース-Ⅱの側面を円形にくり抜き、内部に木ネジをセットした上で協力マグネットを埋め込みます。

 

反対側の大判断熱ボード側も強力マグネットにすると、くっつきすぎるため、反対側は木ネジを仕込むだけにします。

 

 

5.ビニルテープを貼る。

運用時に大判断熱ボードを着脱してもスタイロエース-Ⅱが削れないように、室内側の面と側面にビニルテープを隙間なく貼り付けます。

大判断熱ボード1枚は4枚のスタイロエース-Ⅱを接合して作るため、この時にしっかりと接合面を密着させてビニルテープで固定する必要があります。

 

この作業がなかなかしんどいんですよ(笑)

 

仕込んだ強力マグネットは、この時に一緒に密閉されて脱落しなくなります。

 

 

6.外周にマグネットシートを貼り付ける。

窓枠と大判断熱ボードをくっつけるためのマグネットシートを、大量に準備します。

マグネットシートどうしをうまくくっつけるためには、磁石の向きを確認する必要がありますので、大量に短冊切りにした後にペアとなるシートを探して密着具合を確かめておきます。

 

窓枠側には剥がせる両面テープ、大判断熱ボード側には強力両面テープを利用して、それぞれペアとなるマグネットシートを貼り付けていきます。

 

 

7.アルミテープを貼る。

これも小窓断熱の時と同様に太陽光(紫外線)対策で貼ります。

前回の教訓として、アルミテープを貼った面は熱が移動しやすいので、側面から少し離したところまでしか貼らないように注意します。

 

窓が大きいだけに大量のアルミテープを消費しましたが、100円ショップなので気にせずガンガン貼り付けられました♪

 

 

8.窓枠にマグネットでくっつけて完成!!

 

 

感想

押出発泡ポリエチレンフォームをテープだけで継ぎ足して使用することについて、施工前から強度面で不安がありましたが、

断熱ボードとして毎日取り外して利用する上で、十分な強度が保たれています!!

 

手間やコストを減らしたいとの思いから、接合面の補強を省いたのは正解でした。

また、強度がUPしても押出発泡ポリエチレンフォームは非常に軽いので、女性のつるさんでも簡単に大判断熱ボードの持ち運びが可能です。

マグネットで定位置にしっかりくっついて固定される点は、つるさんに好評いただいております♪

 

費用については、断熱材はまとめ買いで1枚1,750円。それを4枚と100円ショップで30個ぐらい買い物をしましたので、

【1万円+やる気】で大窓断熱が完了したことになります!!

 

ヒーターやエアコンを季節の変わり目から冬季を通じて利用することを考えれば、あっという間にかけた費用の分の光熱費は抑えられますよ!

 

 

そして肝心の断熱性能ですが、2019年12月22日15:00頃のつるかめ家の温度を熱電対を利用して同時に測定したところ、以下の結果が得られました。

  • 居間(断熱ボード内側):17.7℃ ←世間的にはやや寒い!?(笑)
  • ロフト(4m高さ):16.8℃
  • 窓際(断熱ボード外側):12.1℃

☞断熱ボードの内側と外側の25mmの間で、5.6℃もの温度差が発生しています!

☞スタイロエース-Ⅱの熱伝導率0.028W/(K・m)、温度差5.6℃、断熱ボード厚み0025m、窓面積5m2の条件を基に単位時間当たりに失われている熱量を計算すると、およそ32Wとなります!!

 

Brilliant!!!

 

スタイロエース-Ⅱ恐るべし!!!

 

今回はいかに断熱がエコ生活において重要か、再認識することができました。

借り上げ社宅に移って初めての冬を迎えましたが、高天井のロフト付きの大部屋でエアコンなしで過ごせているのは、大窓の断熱のおかげだと感じています。

ただし、大判断熱ボードを通過する熱量が32Wであったとしても、部屋全体の壁の部分で失われる熱量や断熱ボードの隙間から失われる熱量があり、電気ヒーターを使用しない状態では寒さに耐えることができません。

マグネットによる密着方法も、使用してみて改善点が見つかりましたので、次回の工事に生かしたいと思います。

 

断熱材が進化し続ける限りは、かめの断熱熱はまだまだ冷めませんよ!

 

 

トラブル発生

断熱材の断熱効果のおかげで昨年の冬はとても暖かく過ごせましたが、1つ問題が発生しました。

マグネットシートの張り付きが弱くなってきたためか、断熱材と木枠の間に隙間ができるのです…

 

 

マグネットシートの磁力がやや弱かったようですので、断熱ボードが浮きやすい四隅に強力マグネットを仕込むことにしました。

 

ダイソーにはいろいろなマグネットが売られていますが、今回いろいろ試したことで気づいたことがあります。

  • マグネットの磁力は【磁束密度×面積】で決まるため、広い面を稼げる場合はマグネットシートが経済的
  • ただし、マグネットシートは目に見えない方向性があり、シート同士の張り合わせでは少しの位置ズレで引力と斥力が変化する(←今回うまく張り付かなかったことの主要因)
  • 超強力マグネットは面積が小さくても磁束密度が大きいので、スペースが限られる場合のDIY向き
  • スペースがあるなら高価な超強力マグネットではなく、お徳用強力マグネットをたくさん並べた方が必要な磁力の単価は安い。

 

隙間ができてしまったとはいえ、

大きな断熱ボードをしっかりかつスマートにホールドするためには、マグネットシートの磁力が重要

ですので、最小限の追加工事で済ませたいと思います。

 

 

追加工事

早速、借り上げ社宅ならではの、

「窓枠側はマグネットをどのように固定するのか?」

といった、課題が発生します。

 

この点は、窓ガラスのアルミサッシをとめる木ネジを利用して、0.5mm厚のアルミボードを加工して作ったマグネットサポートを固定しました。

 

窓ガラスの中央の床に付けたサポートは、踏んづけないように注意が必要です(笑)

 

アルミボードにはマグネットはつかないので、マグネットをテープで止めた後に裏から別のマグネットで挟み込めば、ズレが抑えられます。

 

スタイロフォーム側は超強力マグネットを側面から、強力マグネットを平らな面から仕込んでテープ止めにしました。

 

アルミサッシの上部にもマグネットサポートを仕込んで、断熱ボードの張り付き具合を確認します。

 

マグネットシートの時もそうでしたが、

マグネット同士を向かい合わせに張り付けるときは位置で磁力が大きく変化しますので、調整には時間がかかりました…

 

 

何とか2枚の断熱ボードの合計8か所に強力マグネットを仕込み、隙間の低減に成功しました!

 

追加工事費用は、【千円+やる気】でした~

 

 

続編

【借り上げ社宅断熱シリーズ】の第3弾である、エコ暖炉はこちらの記事で確認できます。

借り上げ社宅にエコ暖炉を作ろう