シューベルト歌曲 Op.41 D.800「孤独な男」

シューベルトの歌曲「孤独な男」を紹介します!「孤独な男」という題名ですが、歌詞・音楽ともに、とても明るく爽やかな雰囲気があります。シ

シューベルトの歌曲では、田舎を讃えるような内容や舞台が田舎であることが多いようですが、この曲もその一つです!

この曲に至っては、悩みの一切ない、田舎の生活がどんなに素晴らしいか、ということが単刀直入に述べられています。

本楽曲の主人公は、孤独な男なのですが、それ以外にも重要な役割を担っているのが、暖炉の火とコオロギです。

歌詞の中で、男は、暖炉の火が小さくなると一日が終わるのだと、そして、この安らかな夜がもっと続いたら良いのに、と思うとあります。

そして、曲の終盤には、コオロギがうるさいと思わない、むしろ、愛おしい存在であり、鳴き続けてほしい、とあります。

このように、日常的なモノに目を向けようとした市民文化をビーダーマイヤーと呼ぶそうです。これは、1815年のナポレオン失脚で再び王政が復活(王政復古)したことを受け、理想を追い求めるよりも簡素なものに目を向けようということが背景にあったようです。