前の社宅ではだいぶ断熱に力を入れて、生活の質をかなり改善することができました。
かめ(管理人)の辛抱の成果もあり、築47年の古い社宅から【借り上げ社宅】へのグレードアップが叶いましたが、断熱DIYにおいて大きな問題が発生しました。
それは、
借り上げ社宅の壁に接着剤やシリコンコーキングガンが使えない
ということです!
これまでのかめの断熱工事の方法は、壁に断熱材をそのまま貼り付けるような内容が多かったので、なかなか断熱のハードルが上がりますね~
今回は【借り上げ社宅断熱シリーズ】の第一弾として、手軽に始められる小窓の断熱を行いました。
材料選定
手軽に窓の断熱ができる材料として、過去にスタイロフォームとアルミテープの組み合わせを紹介しています。
※過去の記事はこちらをご参照ください。
・押出発泡ポリスチレンフォーム(画像はメーカーサイトから切り抜き)
・スタイロフォーム1B[ダウ化工製:1.82m×0.91m×2cm 水色]
メーカーサイトURL:https://www.dowkakoh.co.jp/styrofoam/feature.html
・アルミテープ
[古藤工業製:幅50mm×長さ50m×厚さ0.08mm、つや無し/有り]
<補足>厚さ0.08mmでも十分な強度があります。つや無し/有りはお好みで選びます。
メーカーサイトURL:http://www.furuto.co.jp/products/specialtape/aluminum.html
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今回の工事も小窓にはめ込むだけなら、同様の材料と同様の方法で手軽に断熱が可能です。
しかし、今回は奮発して
さらに性能が高いスタイロフォームに手を出してみました♪
・押出発泡ポリスチレンフォーム「スタイロエース-Ⅱ」
[ダウ化工製:1.82m×0.91m×2.5cm 水色 熱伝導率0.028W/(m・K)]
メーカーサイトURL:https://www.dupontstyro.co.jp/styrofoam/spec.php
これまでのスタイロフォーム1Bの熱伝導率は0.036W/(m・K)以下ですが、こちらのスタイロエース-Ⅱは0.028W/(m・K)以下となっており、
同じ厚さでも熱が伝わる量が78%に減ります!
(特性比較表はメーカーサイトから切り抜き)
押出発泡ポリスチレンフォームは、この表を見る限りでは0.022W/(m・K)以下のものまで開発されています。
一般の消費者が手軽に調達できるものとしては、現状(2019年7月)では今回の0.028W/(m・K)あたりの特性のものが価格面でも最適と思われました。
以下の押出発泡ポリスチレン工業会さんのサイトでは、細かな分類が確認することができ、スタイロフォーム1Bは「1種bのCグレード」、今回のスタイロエース-Ⅱは「3種bのAグレード」となっています。
サイトURL:https://www.epfa.jp/xps/the_xps/jis/
今回はオンラインショップ キノウチさん(木野内化成産業(株))で、1ケース(25mm厚さのものを10枚)販売で送料無料17,500円で購入できましたので、小窓・大窓用にまとめ買いしました。
1.82mの長物のボードの運搬は通常の通販ショップではメリットが出にくいため、周辺地域の材料屋さんで探して送料を抑えて購入するのがよさそうです♪
デュポン・スタイロ(株)さんのスタイロフォーム以外にも、いろんな会社が押出発泡ポリスチレンフォームを制作していますので、比較してみるのが良いでしょう。
・カネカケンテック(株):カネライトフォーム
・(株)JSP:ミラフォーム
※【参考】旭化成建材(株):ネオマフォーム(フェノール樹脂:0.020W/(K・m))
などなど。製品のラインナップや販売店も様々でかなり迷います(笑)
また、かめがよくDIYで使う3種類の断熱材は、こちらの記事で詳細に比較していますのでご参照下さい♪
断熱施工開始
今回最初に断熱のターゲットにしたのは、恐らく生活していてほとんど開けることがない小窓たちです。
※全然小窓ではないですね(笑) それでも、かめは窓を封印します!
紫外線を取り込みたくない、窓を開けることもない、のであれば、
断熱材をぴっちりはめ込んで工事完了ですよ!
今回はいきなり完成写真を出してみましたが、
買って! 切って! はめる! だけで本当に簡単なんですよ!!
このグレードの高い断熱材を購入してみて驚いたのが、
断熱性能がUPしているにも関わらず、密度や硬さがUPしている点です。
押出発泡ポリスチレンフォームは軽くて加工しやすいのが売りですが、表面が傷つきやすくボロボロと削れてしまうのが難点でした。
また、柔らかすぎるために定規を押し当ててまっすぐ切ることが難しく、切断面も斜めになってしまいます。
今回選定したスタイロエース-Ⅱは密度がUPしており、カッティングや現場の寸法合わせの際に少しこすれたぐらいではほとんど削れることはありません♪
お掃除や見た目の面で削れにくいのは非常に助かりますが、
一番気にしているのは飛散する粉末が人体に与える影響です。
押出発砲ポリスチレンフォームには、ホルムアルデヒドの放散量の性能区分を示すF☆☆☆☆マークが記載されており、☆4つは材料の使用制限がないことを示しています。
しかしながら、断熱材は通常壁の中に隠して使うのが一般的なため、人の生活空間に並べておいても問題ないかは、かめも判断ができていません。
そこで、過去の記事ではよく触る部分で使用する場合は、薄いビニルテープやアルミテープで覆い、表面から削れ落ちる粉末が人体に悪さをしないように封じ込めていました。
以前使用していたスタイロフォーム1Bはややもろいため、触らない部分であっても露出して使用することに抵抗がありましたが、
今回スタイロエース-Ⅱを手に取った瞬間に、「この質感はいける!」と思いました(笑)
そんなわけで、はめ込んだままにする小窓はビニルテープコーティングなし、シリコンコーキングなし、で手軽に断熱することにします!
<作業手順>
1.工具を揃える。
スタイロエース-Ⅱをきれいにまっすぐ切断するために、かめはDIYの端材の【木材】を活用しました。
今回選定したスタイロエース-Ⅱは、断熱性能が高いだけではなく、圧縮強さや曲げ強さも強化されている「3種”b”」規格ですので、木材を押し当てても、ボードにかめが乗っかっても凹まないところがすごいです!
2.採寸する。
はめ込む予定の小窓の外周部分を測定し、取っ手の部分の突起などによって、はめ込みが難しくないかも確認します。
ピッタリより気持ち少し大きめにカットすると、窓枠に押し込む際に材料が少し凹んでフィットし、気密性の向上も図れます。
※外すときは破壊する必要が出てきますが…(笑)
3.切断する。
測った寸法をメジャーとシャープペンで切断前にマーキングします。
切断の際には木材を利用し、カッターを押し当てながら垂直に切断します。
かめは手に入りやすい2×4材の角材規格の木材(厚さ38mm)を利用して、厚さ25mmのスタイロエース-Ⅱを切断しました。
カッターの刃の長さに限度があるため切断材料の厚みによって木材の厚みを調整する必要があり、木材が厚いほど安定して垂直な切断面が得られやすいです。
切断材料が柔らかすぎたり硬すぎたりすると、切断面が予想外に斜めになりますが、この切断方法においてはスタイロエース-Ⅱは非常に加工しやすいです。
★慣れてくると購入した時の断面よりきれいな断面が得られます。
4.アルミテープを貼る。
ビニルテープは不要と判断しましたが、太陽光(紫外線)を反射するためのアルミテープは外側の窓の面にだけ貼りました。
(部屋からの見栄え的に、スタイロエース-Ⅱのイラストが窓側になるようにしましょう。)
過去の記事ではスタイロフォーム1Bがしなるので反らせて貼り付ける工夫をしていましたが、今回の材料は強度があるので気にしなくても大丈夫でした。
5.はめ込んで完成!!
感想
夏場に施工したところ、小窓からの日差しが遮られ
窓際の体感温度がだいぶ下がったように思えました。
断熱材の性能が高いので、日中の熱い時間に触ってみると、窓枠の木材や壁材の方が断熱性能が低いことがはっきりと分かります!
壁ごと断熱施工しないとこれ以上の改善は無理ですね(笑)
また、
冬場の窓際から伝わってくる冷気もしっかりと遮断されていることが実感できます。
マンションの最上階に引っ越してきて、熱気が下の階の住民から伝わってくる関係で、窓を断熱材で塞ぐだけでもなかなか暖かくなりましたよ!
何より、
かめのFavorite Color であるSky Blue が当断熱材のお気に入りポイントです!!
最後に、断熱工事はエネルギーを効率よく使う上で非常に重要な取り組みですので、一般消費者でも手に入りやすく、扱いやすい押出発泡ポリスチレンフォームは、断熱DIYにかなりオススメです!
小さな小窓から身近なエコ生活を始めて行きましょう!!!
トラブル発生
2年目の冬までに数々の断熱施工を施し、つるさん(もう一人の管理人)の肌の保湿のために加湿器を連続運転して就寝したところ、
12月末の明け方の室温が17.5℃、湿度が90%となっていました。
つるさんだけでなく、温湿度計の女性にも笑顔が戻っており、
暖房なしでこの温度は、断熱的にはかなり良好と言えます!
その一方で、
断熱施工した小窓の木枠には悲しみの湖ができあがっていました(笑)
借り上げ社宅の小窓は、水抜きが付いているハイスペック仕様でしたので問題なさそうですが、スタイロフォーム側や木枠に結露した水滴が滴って下部に溜まっているようです…
窓枠の金属フレームにスタイロフォームを密着させるために、淵と取っ手の部分のカッティングを行い、木枠に水滴が滴るのを防ぎます。
同時に、部屋と窓の空間の気密性を高めるために、【不乾生のパテ】で隙間を埋めていきます。
パテはこちらの記事のロフト断熱の際に発見してから、小窓にも使用することにしましたが、
シリコンコーキングガンの代わりに借り上げ社宅の壁のシーリングを行うのにうってつけなアイテムです♪
日中は窓側に日が当たりますので、パテで気密性を高めたことで結露がだいぶ抑えられると見込んでいます。
パテが浮いてきて再び結露の湖ができあがるまでは、ひとまず様子見ですね!(笑)
続編
【借り上げ社宅断熱シリーズ】の第2弾である、大窓断熱はこちらの記事で確認できます。
【RC造賃貸マンション断熱シリーズ】の出窓断熱をこちらの記事で紹介しています。