鍵盤で縁取られたクールな表紙のこちらの書籍を自由気ままにブックレポします!!本書は、ピアノの歴史だけでなく、有名な楽曲やピアノ演奏家の話が盛りだくさんで、通読するとジャズ&クラシックに関する知識が一通り得られます。
ピアノの起源について
第二章「ピアノの誕生」の章に書かれています。
ピアノの発明者は、バルトロメオ・クリストフォリ(1655~1731)
トスカーナ大公子フェルディナンド・デ・メディチ(1663~1713)のメンテナンスに雇われた調律・修理担当の技術者です。トスカーナ大公子は大量の楽器をコレクションしていたそうです。絵画だけでなく、楽器も…さすがメディチ家!!
1709年には楽器としてある程度整えられて、1780年第代にはチェンバロやクラヴィコードに代わって使用されるようになりました。
ハイドン(1732~1809)やモーツァルト(1756~1791)が若い頃はまだチェンバロが主流の時代だったようです。一方、ベートーヴェン(1770~1827)は最初からピアノを使用していたようです。
クラシックについて
もともとクラシック好きなので、全体的に馴染み深い内容でした。
スペインの異国的サウンドを取り入れた、ドビュッシー「グラナダの夕べ」、ラヴェルの組曲『鏡』第四曲「道化師の朝の歌」が紹介されていたので聞いてみました。
インドネシアのガムラン音楽の影響を受けた作品として有名なドビュッシー「塔」を改めて聞いたあとに、インドネシアの詩の形式を意識して作曲されたラヴェルの「ピアノ三重奏曲イ短調」※を聞いてみました。
そして、作曲者本人曰く『和声の化学における最新の発見』、とする、ドビュッシーの「水の反映」ピアノで弾いてみました!
※第一楽章はラヴェルの出身バスク地方の色彩が強い。
ジャズについて
本書は、ジャズに関してかなり詳しく扱っているので、本書に登場するジャズ演奏家の曲※も色々聞いてみましたが、つるの音楽的趣味はやっぱりクラシックのようです♪
一方で、昔習った社交ダンスでは、スタンダード(ヨーロッパ系)よりもラテン系が好きでした。
ジャズの発展は、ダンスの発展、そして、若者の文化の発展と共にあります。
民族同士がダンスのコンテストで競い合うことにより、新しいリズム、そして音が生まれていきます。映画タイタニックで船の激下の階の人たちの繰り広げるダンスが蘇りました。
例えば、アイルランドの「ダブル」とアフリカとアメリカにルーツを持つ「シャッフル」が結合し、「タップダンス」に、イギリスの「クロッグ」やアイルランドの「ジグ」がアメリカの「ミンストレルショー」と結合し、魅力的な音とリズムを生み出したそうです。
ジェリー・ロール・モートンは、彼自身の音楽に、ジャズ、ブルース、カントリー、ラテン、ハバネラの全てあると語ったそうです!
とても分厚い本で、拾い読みしてしまいましたが、読みやすい本で良かったです!
※ファッツ・ドミノ、アルトール・オファリル、ジェリー・ロール・モートン、スコット・ジョプリン、ポーター・キングなど