【RC造賃貸マンション断熱シリーズ】の第5弾として、【壁】の断熱工事を行いました!
※第4弾の「アルミサッシ」断熱は、こちらの記事で紹介しています。
壁の断熱について
かめ(当記事の著者)のDIYの中でも、【壁】断熱はかなり初期に実施しているものであり、断熱DIYの素晴らしさを実感したきっかけとも言えます!!
※画像は、こちらの【社宅断熱シリーズ】の記事で実施しました壁断熱の記念写真です♪コンクリート打ちっぱなし物件には効果は抜群です♬
断熱材や内壁が存在しないRC造アパートにおいて、
コンクリートだけの壁の断熱性能がどれだけヤバイか数値で比較してみます🔍
建材など | 熱伝導率λ [W/(m・K)] |
---|---|
①アルミニウム | 210 |
②コンクリート | 1.6 |
③せっこうボード(GB-R) | 0.221 |
④天然木材 | 0.12 |
⑤押出法ポリスチレンフォーム断熱材3種bA | 0.028 |
※各建材などの熱伝導率の数値は、こちらのリンク先の「平成28年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報(住宅)次期更新版」→「2.1 算定方法(次期更新版)」→「第三章 暖冷房負荷と外皮性能」→「第三節 熱貫流率及び線熱貫流率」のPDF中の、「付録 A 住宅の平均熱貫流率算出に用いる建材等の熱物性値等」の表1および表2より引用しました。
◆熱伝導率引用元PDFリンク:https://www.kenken.go.jp/becc/documents/house/3-3_241202_v23.pdf
※目的のデータにたどり着く前に、膨大な量の数式・計算データ・計算条件を目の当たりにし、建築関係者の苦労を想像して悲しくなりました…OTL
熱伝導率λ[W/m・K]とは、
無限に広い壁において屋内と屋外に単位温度差[K]を与え続けて熱平衡状態になったときに、
単位面積[m2]・単位厚さ[m]の壁の範囲で単位時間[s]あたりに壁を伝わる熱量[J]を表す物理量となります。
※温度が高いところから低いところに移動する熱量を計算するための比例定数です。
例えば、先ほど引用した5種類の建材などにおいて、現実的な厚さを考慮して(熱伝導率÷厚さ)、単位面積[m2]あたりの壁を伝わる熱量[W/m2・K]を計算しますと、以下の表のようになります。
建材など | 現実的な 厚さ[m] |
単位面積の 壁を伝わる 熱量 [W/m2・K] |
---|---|---|
①アルミサッシ枠 | 0.010 | 21,000.00 |
②コンクリート壁 | 0.150 | 10.67 |
③せっこうボード(GB-R) | 0.015 | 14.73 |
④天然木材 | 0.040 | 3.00 |
⑤押出法ポリスチレンフォーム断熱材3種bA | 0.025 | 1.12 |
【DIY前】②&③の壁 | 0.165 | 6.19 |
【DIY後】②&③&⑤の壁 | 0.190 | 0.95 |
この数値が高いほど、
熱が壁を伝わる速度が速いことを意味しています🚙🚙🚙
※3倍であれば単純に3倍速いです。
頑張ってエアコンとか暖房で部屋を冷やしたり温めたりしても、
壁からどんどん熱が移動してしまう状態と言えます⇆
そして、今回の壁断DIYで利用する厚さ25mmの押出法ポリスチレンフォーム断熱材(3種bA規格品)を、
部屋の内側の壁に敷き詰めるだけで、壁で発生する熱の移動が、
・コンクリートのみの壁で約1/10
・コンクリート+石膏ボードの壁で約1/6
に抑えられるという計算結果です♪
これは是非、
日本中のRC造賃貸マンションにかめが施工して回りたい🐢ほどエコなお話なのですが、
【かけたお金に対してどれだけ節約効果があるのか】
が大切だと思いますので、計算してみます。
計算項目 | 計算結果 |
---|---|
押出法ポリスチレンフォーム断熱材3種bA面積単価 | 約1,000円/m2 |
今回施工する壁の面積 | 約9m2 |
★断熱材費用 | 9,000円 |
エアコンの冷房効率(COP)※1 | 3.5 |
夏季のエアコン使用時の屋内壁温度 | 28℃ |
夏季の日中の屋外壁平均温度※2 | 38℃ |
夏季の日照時間※2 | 12時間/日 |
夏季の日中のエアコン使用日数※3 | 100日 |
【DIY前】夏季に当壁で熱ロスとなる電力量 | 約190kWh |
【DIY後】夏季に当壁で熱ロスとなる電力量 | 約29kWh |
★【DIY後】夏季に当壁で熱ロスとなる電力量の削減量 | 約161kWh/年 |
電気料金単価 | 約30円/kWh |
★【DIY後】電力量の削減による電気料金の削減額 | 約4,830円/年 |
※1:RC造賃貸マンション備え付けのエアコンは、冷房能力2.8kWで消費電力0.8kW。COP=2.8/0.8=3.5。
※2:本当は、時間帯によって異なる温度差を時間積分して電力量を求めるが、積分計算が面倒なため、日当たりの良い日の屋外の壁が12時間平均38℃で保たれる条件とした。
※3:出勤時間帯のエアコンOFFは考慮しない。夏季の月ごとの気温の違いや雨・曇りの日は考慮せず、100日間※2の条件が保たれる日が発生するものとした。
冬季の熱ロスの削減を考慮せずとも、約2年で材料費の投資回収が可能です!!!💴👛
省エネ&節約マニアなら、迷わず実行ですな🔥
断熱施工
今回の断熱対象はこちらの壁(+出窓)です!!!
※こちらの【RC造賃貸マンション断熱シリーズ】の第3弾の記事で、すでに出窓の簡易断熱が行われています。アルミサッシ枠からの熱気が防げていません(笑)
※暑いので、ひとまず押出法ポリスチレンフォーム断熱材で仮で塞ぎます(笑)
1.床断熱する。(えっ?)
【RC造賃貸マンション断熱シリーズ】で毎回紹介している床断熱として、
【床へのジョイントマットの敷き詰め】
を行っており、前提条件とします。
✅壁に敷き詰めた押出法ポリスチレンフォーム断熱材を足元でホールド
✅足元の押出法ポリスチレンフォーム断熱材の端から回り込んでくる熱の移動をブロック
2.スタイロエース-Ⅱを壁に敷き詰める。
過去の断熱DIYで利用した、
デュポン・スタイロ㈱さんの【スタイロエース-Ⅱ】(規格:XPS3bA。熱伝導率0.028W/(m・K)以下。スキン層なし)
を再利用します!!!
穴があっても、塞げば元通りです♪
3.G-Funアルミフレームで壁に断熱ボードを押し付ける。
部屋のハンガーラックとして利用している【G-Fun】アルミフレームに手を加えて、突っ張り棒のように断熱ボードを壁に押し付けます。
4.ツーバイフォー材(2×4・1×4材)で断熱ボードをはめ込むフレームを作る。
今回の断熱DIYを実現させる上での重要なポイントとして、RC造賃貸マンションの部屋に既に張り巡らせている、ツーバイフォー材(2×4・1×4材)の活用が挙げられます。
※ツーバイフォー材DIYの施工方法はこちらの記事で詳細を紹介しており、【2×4・1×4材】のタグでも記事一覧が表示可能です。
断熱ボードを敷き詰める壁に沿ってツーバイフォー材のフレームを作ることで、
テープや接着剤を利用せずに壁に断熱ボードを固定できます✨
5.出窓をピッタリ塞ぐ。
仮ではめ込んでいたものをいったん取り外し、しっかり成形した上で、1cm厚のジョイントマットを活用してはめ込みました。
これも正方形のくり抜きがあったもののリユース品♪
6.カーテンレールを外し、ダボを活用しながらミラフォームM2RSを連結し、敷き詰める。
【ダイソーの木製ダボを利用した押出法ポリスチレンフォーム断熱材の連結】は、こちらの過去のロフト断熱で実績があり、定尺サイズを超える範囲の断熱に便利です。
㈱JSPさんの【ミラフォーム® M2RS】(規格:XPS3bAⅠ。熱伝導率0.028W/(m・K)以下。スキン層あり)は、
スキン層の効果により、透湿係数がスタイロエース-Ⅱの半分以下(145ng/m2・s・Pa以下→55ng/m2・s・Pa以下)となっており、
結露によるカビの発生を抑制する効果が期待できます!
省エネ⚡ということで【W】マークを仕込んでおきましたw
規格XPS3bAの熱伝導率0.028W/(m・K)がいつでも分かるように、スタイロエース-Ⅱの裏面も仕込んでおきましたw
7.上部の断熱ボードが落ちないように、ツーバイフォー材で押さえ付けたら完成!!!
まとめ
かめの中では、一般家庭の内断熱DIYはとても有効な省エネ策だと考えています💡
日本の平均的な家庭での年間のエネルギー消費量を検索してみたところ電力量は4,175kWhでしたので、
今回の壁断熱で夏季だけでも161kWh削減可能であれば、冬季の暖房の省エネ効果も考慮して、
約4%以上の電力量の削減が見込めます✨
また、令和2年の全国の世帯数5,495万において、年間161kWhの電力量の削減が可能であれば、
年間約88億kWhの電力量の削減が可能であり、原子力発電所が少なくとも1基は停止可能なレベルです!!!🔥🔥🔥
こちらの過去の記事でRC造ドリームハウスを妄想しておりますが、
今回の断熱DIYによりRC造賃貸マンションでもかなり近い状態にできると考えています。
天井やお隣さんの壁まで断熱するとなかなか大変ですが、
正午~夕方までずっと日が当たり続けている今回の出窓と壁のような場所の断熱は、
費用対効果が大きいことが予想されますのでオススメです🌟
断熱DIYで消費電力の削減に貢献しましょう!!!🌲🌳🌼
続編