ワーグナー「ローエングリン」前奏曲

リヒャルト・ワーグナー(1813~1883)が37歳(1850年)の時にワイマールで初演された作品「ローエングリン」第一幕前に演奏される前奏曲です。
宇宙⁑あるいは無限大の愛∞を彷彿させます!!


普通、オペラは、台本作家が台本を書いて、それに作曲家が音楽をつけるのですが、ワーグナーは、もともと劇作家志望*1だった作曲家で、台本も本人が書いていたようです。それゆえ、ワーグナーは序曲を廃止し、前奏曲にするといった彼の理想*2を具現化出来たのですね。上記の動画は、第一幕の前奏曲なので、聖なる騎士ローエングリン*3(キリストの最後の晩餐で使った聖杯を守護する崇高な役目を果たす騎士)の人物そのものを描写していると言われています。

*1若い頃、シェイクスピアやギリシャ悲劇に傾倒していた。

*2ワーグナーは、序曲(オーバーチュア)を廃し、前奏曲(プレリュード)として発展させたことで知られる。序曲と前奏曲は共に歌劇開始時に演奏される器楽曲のことだが、序曲が歌劇のストーリ全体に対応する曲だとすると、前奏曲は歌劇開始時の雰囲気に対応する曲のことである。

*3ワーグナー最後の作品「パルシファル」(1882)でも同一人物と思われる主人公が登場する。

また、ワーグナーは政治活動を活発におこなっていた時期もあり、
ちょうど、このオペラを初演するときも、その時期にあたり、
フランツ・リスト*が初演を代わりに行ったようです。
また、後に本人がウィーンで観劇したときは、涙が出るほど感動したという記録があります。

*リストとワーグナーの関係は義理の父子で、リストの娘コジマとワーグナーは(初婚ではない)婚姻関係にあった

↓↓婚礼の合唱は、第三幕の前奏曲の直後に歌われる合唱です↓↓

悲劇を予感させる合唱だとか否かとか言われますが、
シェイクスピアの悲劇に慣れ親しんだワーグナーに言わせれば、
本作品は(個人的には)悲劇からは程遠いと思っています。

↓↓でも実は筆者つるは、こちらが好み↓↓
(何度でも読み返したいくらい爽快な物語!!)

ワーグナー「ニュールンベルクのマイスタージンガー」前奏曲

オペラの終盤、魔女の魔法が解け、白鳥に変えられた、主人公(伯爵の姫)の弟が元の姿になり、引き換えに、主人公が一度は結婚を誓った聖なる騎士ローエングリンが主人公の元を去っていく、というシナリオは、レハールのオペレッタ「微笑みの国」によく似ています♬

↓↓レハールについて記事です↓↓

ワルツ王の後継者フランツ・レハール